INTERVIEW with 石井秀仁――予兆
昔の焼き直しは嫌だった
――私はGOATBEDからcali≠gariを知ったクチなので、知った時にはすでに活動休止中の状態で。
石井秀仁(ヴォーカル)「まあ、休止中っていうか、解散ですよ」
―― ……え、休止中……ですよね……?
石井「それは何て言うんですか? 休止中だと思っている人がいれば、休止中だと」
――では、本人たちとしては解散だと。
石井「たぶん、その、みんなそう思ってたんじゃないですか?」
――それは……あっ、リスナーの方々も含めて?
石井「たぶん、そうだと思いますよ。絶対に復活しないバンドだろう、っていう感じで」
――あらら。
石井「まあ、建前上というか、そういうのを決めるのはギターの人なんで。その~、例えば〈休止〉前ですか。その時の、青さん(桜井 青、ギター:注1)以外の人が全員いなくなっても、あの人が〈もう1回やります〉って言って始めれば、また新しい、メンバー・チェンジしたcali≠gariってことになるわけじゃないですか。そういう意味で休止中って言ってただけなんですよね」注1:〈第1期〉から現在の〈第7期〉までの変遷のなかで、唯一のオリジナル・メンバー。
――では改めて質問ですが、〈第7期〉としては終わったはずだった?
石井「終わったはずですよね……でもまあ、終わってからも、青さんだったり、メンバー全員とけっこう交流はあったんですよ。仲が悪いとかも全然ないし。だけど、またcali≠gariやろう、っていう話にはならなかったですね。一度も」
――それが、復活ということになったわけじゃないですか。どうやらスタッフさんからそういう話が出たらしいですが。
石井「スタッフさんというか、ボビーさん(マネージャー)ですね」
ボビー「すみません(笑)」
――そう言われた時は、どうだったんですか?
石井「〈えっ?〉って感じですね(笑)。〈なんで?〉ですよね。全員そうじゃないですか、きっと」
――それぞれが、〈えっ?〉っていう?
石井「まあ他の人はわかんないですけど、もしかしたら〈えっ?〉って言いながらも〈よし!〉って思ってたやつもいたかもしんないけど、それはわかんないじゃないですか」
――石井さんに関して言えば、〈えっ?〉だった。
石井「うん。〈いや、またまた〉みたいなことですよね」
――ご冗談を、みたいな?
石井「冗談、ってことはないけども。俺は何やってても、〈絶対にない〉っていうのはないんですよ。例えば、〈これどう?〉って提案された時に、頭ごなしに〈嫌だ〉とかは絶対に言わないんですよ。話を聞きながら、コミュニケーションしながら、ね。意外とそういう人なんですよ(笑)」
――良かったです(笑)。
石井「人としてわりとまともなんですよ(笑)」
――(笑)それで、復活を考えてみようと?
石井「考えちゃないですね(笑)。話が出るタームがこう、徐々に短くなっていくっていうか。俺は、ボビーさんとはずっといっしょにやっているので。他のことやってても、別の話してても〈cali≠gariがさ~〉みたいなことがあるじゃないですか。〈cali≠gariがさ~〉って言ったかどうかはわかんないけど(笑)」
ボビー「たぶん言ってない(笑)」
石井「ちょこちょこそういう話が出るようになって……まあ、不思議とありますよね。そういう話がちょっと出たりとかすると、たまたまどこかでcali≠gariのメンバーと会ったりとか、ライヴを観に行ってみたりとか、そういうのがあったりするじゃないですか」
――そんななかで、〈じゃあやってみる?〉っていう話に?
石井「それもね、また〈やってみる?〉って感じではなかったですね。最終的にはみんなで集まって、〈どうしますかね?〉みたいな。〈俺はやりたいんだ!〉とかそういうことではなくて、何て言うんだろうな? みんな〈100%嫌だ〉ってことではないから集まるわけじゃないですか。で、〈やるとしたら、どうしたらおもしろいんだろうか〉っていうような話し合いをして、〈それだったらおもしろいんじゃないか〉ってことになったんでしょうね、きっと」
――こういう復活の仕方であればおもしろいんじゃないか、っていう。
石井「各々、条件というわけではないけれども、〈こうしたい、ああしたい〉っていうようなことを言ったりやったりが、あったんじゃないですか(笑)?」
――その時の絶対条件って何だったんですか?
石井「たぶん、そういうのを俺がね、いちばん言ってた気がするんですよね。あれですよ、〈金いくらくれなきゃ嫌だ〉とかじゃないですよ? 全然。そういうことじゃなくて、昔の焼き直しみたいなのは嫌だっていうことですよね。年も取ってるし、(昔と同じことをしても)リアルじゃないし。やっぱ、無理があるじゃないですか、いろんな意味でね。あの時はそういう時代だった、っていうのもあるし。だから、やるのであれば、昔やってたことを全否定するとかそういうことではないんですけど、新しいアルバムを作って、新曲を、みたいなことですか。各々がこれまで別のことをやってきてるわけですからね。それで新曲を作ったらおもしろいんじゃないかと」
――じゃあ、復活に際してはまず新作を作るっていうことで。
石井「そうですね」
――そして、復活の予告が去年の3月の半ばぐらいに、ムックの武道館ライヴなどで告知されたわけですが、実際、復活が決まったのは、その告知のどれぐらい前?
石井「(一昨年の)12月ぐらいにデモを出した気が」
ボビー「違う、1月にデモ出したんだ。実際に箱押さえとかあるじゃないですか。そういうのを考えて、ギリギリで(一昨年の)10月ぐらいから月1では会ってるんですよ。ただ具体的な話になったのはたぶん、1月とかですかね。それまでは基本的には条件面の話し合いばっかしてたんで。いまとなってはそこまで大事じゃなかったんですけど」
石井「条件面って言ってもね、例えば、みんなもう、バラバラの生活してるから、〈俺はこういう仕事してるからこの日は無理だ〉とか〈なるべく活動は拘束日数は少なく〉とか、そんなんです(笑)。そういう話し合いをたくさんしてました(笑)」
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