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特集

INTERVIEW――tetsuya 〈tetsuya best〉

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2010年03月10日 18:00

更新: 2010年03月10日 21:34

構成・文/柴 那典

 

構想4~5年くらいかかってます

 

L'Arc~en~Ciel_A

 

4人それぞれが作曲を行うL'Arc~en~Cielだからこそ実現した今回のベスト盤。もちろん、それぞれの盤にメンバーのこだわりがたっぷり込められているわけだが、tetsuyaのセレクトを聴いて痛感するのは、まず曲順も含めた絶妙なバランス感覚だ。エネルギッシュな“READY STEADY GO”(2004年)で幕を開け、ラストは壮大で美しいバラードの“あなた”(98年)。tetsuyaが担ってきたL'Arc~en~Cielというバンドの華やかな側面と奥深い魅力を7曲のなかに織り交ぜている。

「7曲なんで、シングルを3曲。アルバム収録曲を4曲。そういうバランスにしようかなって。僕はライヴのメニューを考える感じで考えたかな。7曲でライヴをやるならこのセットリストでいこう、という感じに近い。30分じゃ収まらないけど、そのぐらいの短いイヴェントに出た時のメニューを考えるような感じで選びました」。

なかでも本人の思い入れが強いというのが、セカンド・アルバム『Tierra』に収録された“Blame”(94年)。時にうねり、時に跳ね、時に自在に駆け上がるtetsuyaのベースラインがL'Arc~en~Cielの楽曲のオリジナリティーを生み出す重要な要素となっているのは、ファンならずとも広く知られている事実だろう。そのことが如実に現れているのがこの曲だ。派手なフレーズを繰り出すだけじゃなく、歌声との絶妙な絡みも見せる。ベースが〈歌う〉ということがどういうことなのか、すごくよくわかる。この曲は、ぜひベーシスト・tetsuyaに注目して聴いてみてほしい。

「“Blame”は、最初から入れようって決めていた曲です。自分でもすごくこの曲好きだしベースがカッコ良いでしょ? 今回、改めて思ったけど、すごくベースの音もいい。しかもベースの音がデカい(笑)。“Blame”はホント、ベースで出来てる曲なんでね。ずーっとコード進行が同じなんですよ。最初から最後まで。それなのに、あそこまで変化をつけられるって凄いでしょ? ホントに好きな曲だし。“Blame”は、必ず入れようと。そこは決めてました」。

キャリアのなかでは“死の灰”や“finare”などダークな楽曲も手掛けてきたtetsuya。だが、このベスト盤を通して痛感するのは、やはり彼が手掛けたポップ・チューンの持つ〈強さ〉だ。浸透力あるメロディーライン、爆発力あるサビへの展開には、やはり感服させられる。躍動感ある“DIVE TO BLUE”(99年)、明るく爽快な聴き応えの“Link –KISS Mix-”(2007年)、キュートな“Time goes on”(2004年)も印象的だ。いくつものキラー・チューンを作ってきた彼だけに、〈王道〉であることの自負は人一倍強いのかもしれない。

ちなみに今作はメンバーそれぞれがマスタリング・エンジニアをみずから選定し(〈tetsuya best〉はビヨンセや宇多田ヒカルらを手掛けたトム・コインが担当)、4枚それぞれ違った仕上がりを持つベスト盤になっている。このマスタリングに関しても、四者四様のスタイルを見せるアートワークも、彼からの発案によるもの。初回生産限定盤DVDの〈ザ・ラルクイズ〉も含め、単なる〈メンバーそれぞれのベスト盤〉というだけに収まらないスペシャルなアルバムになっている。L'Arc~en~Cielのリーダーにして指令塔=tetsuyaのアイデアとプランが今回のベスト盤を刺激的なものにしている、という一面も見逃すわけにはいかないだろう。

「いまは、プレイリストを作れば簡単にベストを作れちゃう時代じゃないですか? 誰にでも。だから、〈リマスタリング〉して、〈ここでしか観られないDVD〉を初回生産限定盤で付けたら、喜んでもらえるんじゃないかなって。結果、こういう形になったんですけど。だから、構想4〜5年くらいかかってます」。

 

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