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特集

マッシヴ・アタックから潜る、ディープ盤ガイド

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2010年03月03日 18:01

更新: 2010年03月03日 18:06

ソース: bounce 318号 (2010年2月25日発行)

ディスクガイド/青木正之、出嶌孝次

HOPE SANDOVAL & THE WARM INVENTIONS『Through The Devil Softly』 Nettwerk(2009)

マジー・スターのホープ・サンドヴァルとマイブラディのコルム・オコーサクによる白昼夢のような世界。素晴らしい音響によってホープの歌もトラックも臨場感たっぷりだ。安楽椅子にでも座ってじっくり聴きたいが、別世界に連れていかれそうな魔力も……。*青木

MARTINA TOPLEY-BIRD『Quixotic』 Independiente(2003)

トリッキーの作品でもお馴染みの気怠くスモーキーなヴォーカルがクセになる彼女。本作ではロック調の曲も意外とイケることを証明しつつ、やはりスロウなテンポでの歌い口にこそ魅力が発揮されるようだ。時折、声が掠れてハスキーになる瞬間がセクシーでゾクゾクさせられる。*青木

HORACE ANDY & ASHLEY BEEDLE『Inspiration Information』 Strut/!K7(2009)

レゲエのサウンドシステムに影響を受けてきたアシュレー・ビードルに打ってつけの企画盤。彼のレゲエ/ダブ・トラックとホレス・アンディの神懸かった歌声は不思議なほど相性が良い。ストーンズのカヴァー“Angie”は何度でも聴きたくなる名演だ。*青木

PORTISHEAD『Third』 Island(2008)

ポーティスヘッドの持ち味といえば、陰鬱でどうにもこうにも気怠い独特の空気感と美意識だろう。インダストリアルな要素が加わったこの3作目でも彼らのこだわりは相変わらずで、情感たっぷりなベス・ギボンズの歌と映像を喚起する音で、暗く美しい世界を演出している。*青木

TERRY CALLIER『Hidden Conversations』 Milan(2009)

シカゴ期、トーキング・ラウド期に続く3度目の全盛期が到来か?マッシヴ・アタックのベスト盤で“Live With Me”に参加していた大御所の最新作では、マッシヴが3曲をプロデュース。ダビーな音像が霧のように歌声を包み込む冒頭の“Wings”はこのコラボならではの美しさだ。*出嶌

HORACE ANDY & ALPHA『Two Phazed People』 Don't Touch(2009)

ホレス・アンディ絡みのブツをもうひとつ紹介。こちらはかつてマッシヴのエンジニアも務めたアルファとのコラボで、8年がかりで完成させたという労作だ。まさにメランコリック・ダブとしか言えない、往年のマッシヴ×ホレスの続きはここでも堪能できる。 *出嶌

THE BIG PINK『A Brief History Of Love』 4AD(2009)

フィードバックする轟音と甘美な旋律の組み合わせ……という部分を軸にしながら、重厚なリズム・トラックのディープな圧力はやはりダブ・ステップ以降だろう。シューゲイズするだけではない、手探りで聴くような快感に深みへと誘われるポスト・ポスト・ロック作品だ。*出嶌

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