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特集

カントリーの勢力がますます拡大

ここではブルース、カントリー、フォーク、ニューオーリンズといった範疇の作品を紹介。キングス・オブ・レオンが受け入れられたのと同じような意味で、〈もっとも大衆的なポップ・ミュージック〉としてのUSカントリーはいよいよ大きくなっているが、そのルーツ音楽としての側面はむしろ畑違いの人や海外勢によって表現される例が増えてきたように思う。ニール・ヤングら往年のロック・ジャイアンツを好むリスナーもそろそろ偏見を捨てて聴いてみてほしい。

MIRANDA LEE RICHARDS
『Light Of X』
 Nettwerk/インペリアル
ホープ・サンドヴァル風の繊細な歌い口が……とか書いておくか。7年前の処女作ではフォーキーと形容された持ち味がカントリー的な枯れを加えて、結果的に彼女の愛する往年のアメリカン・ロックに近付いたような印象だった。*出嶌

JOHN BOUTTE
『Good Neighbor』
 Boutte Works
被災直後のような注目はなくても、アラン・トウーサンやシリル・ネヴィル、パートナーズ・イン・クライムらが良作を残したニューオーリンズ。熟成されすぎてヤバい歌声をアンドリュース兄弟らが支えた本作は特に最高だった。ポール・サンチェスとの共演盤もスルー禁止。*出嶌

VIENNA TENG
『Inland Territory』
 Zoe /Rounder
ジャジーとかフォーキーとかジョニ・ミッチェル系のフォロワーが人気を集めるなか、悠々とリリースされた3年ぶりのアルバム。透明感に溢れた歌声とピアノのワビサビだけあれば、ラリー・クラインの手を離れようが何の問題もない。超然とした輝きを放っていた。*出嶌

BOOKER T.
『Potato Hole』
 Anti-/Epitaph 
名オルガン奏者による20年ぶりのソロ作は、ドライヴ・バイ・トラッカーズやニール・ヤングを従えて殿堂から降りてきたようなグルーヴィー盤に。かつて共演した忌野清志郎の追悼バンドに参加したり、奥方プリシラとの作品がリイシューされたり、2009年は話題も豊富でしたね。*出嶌

RASCAL FLATTS
『Unstoppable』
 Lyric Street 
全米アルバム・チャートがほとんど保守音楽ランキングへと様変わりしたような2009年。引き続きダン・ハフと組み、ポップな“Summer Nights”などが猛威を振るった本作はその筆頭だった。カントリーとはいえ音はロック・リスナー向けで……って何年書き続ければいいのか。*出嶌

THERESA ANDERSON
『Humming-bird, Go!』
 Basin Street 
スウェーデンはゴットランド島に生まれ、90年代にニューオーリンズにやってきた宅録シンガー・ソングライターの力作。トゥーサンやネヴィルズとの交流も深いというだけあって、どことなく品の良いポップなフォーク~カントリーを聴かせてくれた。*出嶌

CARRIE UNDERWOOD
『Play On』
 19/Arista Nashville 
2009年後半を代表するアメリカン・ポップス作品のひとつ。もはや国民的歌手に成り上がった彼女が、3度目の全米No.1を獲得した3作目だ。ポップ・カントリー全体の流れに乗り、グロリアーナやミランダ・ランバート同様にロッキッシュな感触を強めていた。*出嶌

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2010年01月13日 18:00

更新: 2010年01月13日 18:00

ソース: 『bounce』 317号(2009/12/25)

文/bounce編集部

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