ROCK IN JAPAN(2)
椎名林檎
『三文ゴシップ』 EMI Music Japan
新たな動向が報じられるたびに現象化する人ではあるが、それにしても約6年ぶりのソロ作は事件だ。林檎節で華やかに彩られた歌謡ロックンロール・ショウは、ブロードウェイから場末のジャズ・バーまでを鮮やかな場面転換でシームレスに再現。次なる現象は東京事変の新作か。*土田
THE BEACHES
『ハイヒール Hi Heel』 WESS
いま聴くべきバンドはこれです。世界的にナウなクンビアやバイリ・ファンキなどのゲットー音楽を血肉化し、歌謡テイストを注入する自身のサウンドをさらに磨き上げた。ようやく時代が彼らに追いつい……てないよ日本! 時代はともかく楽しいから聴きなさい(命令)! *加藤
踊ってばかりの国
『おやすみなさい。歌唄い』 mini muff
黒猫チェルシーに続く神戸出身&10代(全員ではないが)の新世代バンド。〈平成生まれのボ・ガンボス〉なんて惹句も納得の、サイケでジャンクな音は極上です。間もなく完成するはずの新作はさらなるマスターピースの予感……ということで2010年はもっと大注目!! *加藤
矢沢永吉
『T.E.V.I.N.』 Qwest/Warner Bros.(1991)
還暦を迎えた2009年は、1年の充電期間を経て再始動の年に。自身のレーベルから発表した本作は相当気合いの入ったものだったが、その中身は力みとは真逆のラフでクールなロックンロール! 恒例の武道館も東京ドームも流石の貫禄で成功させ、〈矢沢ここにあり〉を存分に見せつけた。*加藤
The Mirraz
『NECESSARY EVIL』 mini muff
〈アークティック・モンキーズのパクリ〉と言われながらも自身の方法論を推進した本作が好評価を獲得し、バンドの認知度も上昇……したかと思えばベーシストが脱退。で、新メンバーの条件が〈アクモン好き〉とは! この確信犯的なエンターテイメント精神こそが彼らの強みだ。*土田
アーバンギャルド
『少女都市計画』 前衛都市
エレクトロニック・ガール・ポップの戦国時代を迎えた2000年代末、ドール化が進行する同シーンに対する反逆も各所で勃発。なかでも〈トラウマ・テクノ・ポップ〉を標榜する彼らの存在感は強烈すぎた。無表情な人形が口ずさむのは、思想と情念が渦巻く生々しい電子ポップスだ。*土田
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