ROCK IN JAPAN
平成生まれも登場して混沌の時代へ!
THE BAWDIESや毛皮のマリーズをはじめ、洋邦問わず60~70年代のロックを現代の感覚で鳴らす、いまの時代のオリジナリティーを持ったバンドが勢力を伸ばし、いよいよ日本のロック・シーンのど真ん中に躍り出た。ここに黒猫チェルシーやズットズレテルズ、OKAMOTO'Sといった10代のバンドも参戦してますますカオスな状況に! 一方で再結成して異常な盛り上がりを見せたユニコーンや久々の新作を発表した矢沢永吉らヴェテランの活躍も目覚ましかった。
MASS OF THE FERMENTING DREGS
『ワールドイズユアーズ』 AVOCADO
轟音上等のオルタナ女子たちは、歌を中心に据えた本作でポップに開花した。2008年は岸田繁のフックアップもあったが、間口が大きく広がったサウンドと地道なライヴ活動で追い風は継続。その勢いで2010年はいよいよメジャーへ進出だ! *土田
RADWIMPS
『アルトコロニーの定理』 EMI Music Japan
完璧に水面下へ潜っていた彼らが2年3か月ぶりに浮上。若くしてモンスター・バンドの仲間入りを果たしてしまったがゆえの苦悩が最高のポップ・ミュージックとして結実したこのアルバムは、2009年のなかでも〈待望の〉という形容詞が特に当てはまる話題作に。*土田
SPECIAL OTHERS
『PB』 ビクター
フュージョン説も濃厚なSPE様は、アンサンブルの妙を追求すること以上にメロディー重視の楽曲だからか、ジャンルを横断してリスナーを獲得できる〈融通の利く〉バンドなわけで。その本質をますます推し進めたコチラは、いまのシーンにいるようでいない、隙間で輝く絶品でした! *加藤
黒猫チェルシー
『黒猫チェルシー』 DECKREC
隔世遺伝的な音楽遍歴を持つ10代バンドたちの躍進に驚愕した2009年、その先頭を切ったのはこの4人組だった。濃厚なアングラ感を纏ったサイケデリック・ガレージ・ロックに取り込まれ、聴き手は瞬時に70~80年代へタイムスリップ。この空気の変え方は尋常じゃない! *土田
毛皮のマリーズ
『Gloomy』 JESUS
ラストで〈私は/とっても/ロックンロール〉と歌っているが、そんな〈ロックの権化〉宣言にも納得の前時代的なヤバさがこれまで以上に表出。異形の個性の決定打として彼らが提示したのは、『Rubber Soul』『Re-volver』期のビートルマナーを踏襲したアシッドなガレージ・ロックだった。*土田
FACT
『FACT』 maximum10
メンバー全員が能面を装着……と見た目の衝撃も大。これまでは欧米中心の活動だったが、本作を機に日本での展開を本格化している。スクリーモ~メタルコア的な音はヘヴィーかつキャッチーで、激しいのがお好きなヤングを次々に魅了した彼らの2010年は、さらなる飛躍が約束されたも同然! *加藤
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