PRINCE
『Lotusflow3r / Mplsound / Elixir』 NPG
殿下自身の2作に新人のアルバムを加えた3作をセットにし、新作として発表。手癖も含めたポップな音像や、USでは量販店〈Target〉のみというリリース形態も含め、我流の貫き方はいかにも殿下だった。それでも全米2位という結果を残したのは流石。*池谷
CIARA
『Fantasy Ride』 LaFace/Jive
延期を重ねた4作目。ここでも、トレンドを読みつつも新たに生まんとするエッジーで挑発的な楽曲がひしめく、とびきりのアーバン・ポップ集で攻めたシアラ。ヒット曲“Love Sex Magic”は共作のジャスティン・ティンバーレイクの手腕も証明した。*池谷
DAY26
『Forever In A Day』 Bad Boy/Atlantic
絶滅の危機にあったR&Bヴォーカル・グループだったが、この5人組が余裕で2作目を出してきたことで光が見えてきた? ハーモニーの妙味というよりは個性の違うリードが己を主張し合う感じだけど、それもイマっぽくていいじゃないか。*林
CHRISETTE MICHELE
『Epiphany』 Def Jam
どこか恥じらいもあった前作からグッと色気を増した2作目。泣きのツボをしっかり押さえ、ジャズやポップスの旨味を取り込みながら一定の黒さを保っている感覚が絶妙だ。ニーヨに始まった〈メロディーの復権〉の最高の成果がここにある。*林
ELECTRIK RED
『How To Be A Lady Volume 1』 Radio Killa/Def Jam
トリッキー・スチュワートとドリームの絶好調ぶりを伝えた一枚。トランシーな音色を味付け程度に取り込むのではなく、真正面からエレクトロR&Bに取り組んだ挑戦的な姿勢がいい。意外にオーソドックスな歌も魅力。*林
JEREMIH
『Jeremih』 Def Jam
J・ホリデイやトレイ・ソングズに対するデフ・ジャムからの回答? R・ケリーが確立したエロR&B道に足を踏み入れながらも、振る舞いは爽やか。オートチューンをあたりまえのツールとして使い、リリックのインパクトで勝負するイマドキ男子らしい作品だ。*林
MELANIE FIONA
『The Bridge』 SRC/Universal
近年のレトロ・ソウル・ブームを改めて実感させるようなオールディーズ趣味全開のR&B盤。〈黒いエイミー・ワインハウス〉とでも形容したくなるような、懐古趣味とパンク気質の不思議なミックスは、これはこれでとても〈いま〉っぽい。*林