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INTERVIEW――POLYSICS(3)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2010年01月13日 19:00

更新: 2010年01月13日 19:44

文/小野島 大

自分たちの成長の記録

──まさにハヤシ君の人となりとか感性がPOLYSICSの曲になるとして、カヨちゃんをはじめとする3人のメンバーは、そこに何を加えてくれてるんだろう。

「なんだろう……曲の作り方がここ何年かで大きく変わったんですよね。前は自分で完璧なデモを作って──ベースも弾いて、ドラムもフィルの一個一個にこだわって打ち込んで──それをメンバーに聴かせて再現するというカタチで作ってたんですよ。『POLYSICS OR DIE!!!!』(最初のベスト)ぐらいまで。そこからヤノが入って、海外ツアーをガンガンやってメンバーの演奏面での信頼感がグンと増してきたんですよ。それまではひとりひとりがコンピューターに合わせて演奏する、みたいなスタイルだったのが、海外での過酷なサヴァイヴァルを経て、バンドの4人ががっちり演奏する楽しさみたいなのが出てきたんです。お互い目を合わせて演奏するのがすごい新鮮で。そこで曲の作り方が変わってきましたね。自分は核になるシーケンスとギター・リフだけ作って、あとはスタジオでみんなに任せるという。ここ最近は特にそうです。僕すらも、この曲がどうなるかわからないってことを楽しみながら演奏できるようになりました。自分もそこまで決め込まないで、自分がこう思ってた曲がどんどん変わって、まったく違うタイプの曲になっていくこともある。でもそれはそれで最高じゃんと思うし。曲作ってる時に、メンバーのプレイが浮かぶんですよね。そういうのをイメージしながら曲を書くようになって。そこでどんどんセッションしていくうちに、メンバーが俺が思ってる以上にアレンジを加えてくるから、曲の幅も広がるし。以前だったら、メンバーは自分の曲を再現すればよくて、言ってみれば誰でも良かったんだけど、その時から、いまのメンバーで音楽作るとこんなにおもしろい音楽が出来るんだなあって思いになりましたね」

──よりバンドらしくなったと。

「そうですね。アルバム出すごとに、メンバーのパーソナルな部分がどんどん引き立ってきたと思う」

──その過程が『BESTOISU!!!!』なわけですね。

「ヤノが入ってからの5年間の音源で、ヤノの成長記録でもあるんだけど、それ以上に自分たちの成長の記録でもある気がしますね」

──いまのPOLYSICSは、単にハヤシ君が頭のなかで作り上げた音楽ではない。

「そうですね。最初は自分の頭のなかで鳴っている音があるけど、セッションしていくうちにものすごいケミストリーが起きて、ものすごいものに変貌していって、ものすごいものが出来ちゃう。でもそこに自分のエッセンスみたいなものはちゃんと叩き込まれてる」

──ふむ。そういう成長は音だけじゃないですよね。ファンにとって、POLYSICSって単に音だけじゃなくて、メンバーの佇まいとか、たとえばカヨちゃんのアクションとかも含めて記憶されてると思うんですよ。そういうものすべてが合わさってPOLYSICSの魅力が形作られている、という実感は、確かに最近は強くなっているかも。

「一時はPOLYSICSの4人のバンド感をどれだけ極めるか、バンド・サウンドをいかに固めていくかということをずっと考えていました。それが、1年ぐらい前からかな。バンド・サウンドのおもしろい部分がライヴでも伝わるようになってきた時に、次はそれだけじゃない、POLYSICSなりのエンターテイメントな部分をアピールするようにしたいなと思うようになりましたね。それこそ初期のパン投げじゃないけど、ああいう要素も、いまならアリかなとも思うようになりました」

──いまならパン投げても色モノ扱いされない……。

「パンに負けてない(笑)。だから“Fire Bison”で風船膨らませるアイデアも出てきたし、“COLON”をまたやりだしたりとか。それも『We ate the machine』である程度やり切った手応えがあったからだと思います」

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