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NEW ALBUM INTERVIEW――羊毛とおはな

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月16日 18:00

更新: 2010年01月17日 15:08

インタヴュー・文/望月哲

 

聴き流すのでも構えて聴くのでもない、でも心の柔らかいところにちゃんと寄り添ってくれる――そんな涙が出るほど優しい歌がここに

 

羊毛とおはな_A_main

 

クタクタになったフランネルのシャツでも穴の開いたリーバイスでもいい。気付いたら10年近く着続けていたようなワードローブが、誰にでも1着や2着は必ずあるはず――羊毛とおはなが鳴らすのは、例えるならばそんな類の音楽で、トレンドとは関係ないところでさりげない存在感を放ちながら聴き込むほどに風合いを増していく。彼ら初のフル・アルバムとなった『どっちにしようかな』は、過剰な装飾を排したバンド・サウンドと千葉はなの瑞々しい歌声がスッと耳に飛び込む、シンプルながらも普遍的な魅力を湛えた作品に仕上がっている。

「私自身、〈よし聴くぞ!〉という感じのものよりも、ご飯を作ったり寝転んだりしながら聴けるような音楽が好きなので、自分たちもそういうものを作りたいという気持ちはあります」(千葉はな、ヴォーカル)。

昨年のミニ・アルバム『こんにちは。』同様、気心の知れたミュージシャンから成るバンドと共にレコーディングされた今作。趣を同じくしているようで、双方の制作過程には大きな違いがあったのだという。

「前作は大体のアレンジを事前に決めてからレコーディングに臨んだんですけど、今回は何度もスタジオに入ってセッションをしながらアレンジを固めていったんです。全員で同時に音を出していないと録れないような空気感をどうしてもアルバムに入れたくて」(市川和則、ギター)。

「エンジニアさんも含めたひとつのチームでアルバムを作っている感じでした。だから、ある意味〈羊毛とおはなバンド〉の作品と言ってもいいのかもしれません」(千葉)。

「レコーディングの最後にインタールードを録ったんですけど、それは完全にスタジオでの即興演奏をもとに作ったんです。〈こういうやり方もあるんだな〉って今後に繋がるヒントも見つけられました」(市川)。

それ以外にも、Saigenjiやキマグレンのプロデュースを手掛けるGIRA MUNDOをアレンジャーに迎えた“逢いにゆこう”、千葉が初めて作曲した“キーラの森”のバンド・ヴァージョン、作詞作曲を外部アーティストに委ねた “イニミニマニモ”“ただいま、おかえり”“手をつないで”(コリーヌ・ベイリー・レイ作曲!)など、新たな挑戦が随所で試みられている。

「いままで聴いてくれていた人をがっかりさせたくないという気持ちが常にあります。これからも核の部分は大事にしつつ、いい感じで変わっていけたらなと」(市川)。

また、『どっちにしようかな』という表題にはとある願いが込められているのだとか。

「今回のアルバムは〈幸せの青い鳥を探す旅〉をイメージしていて。青い鳥を探して旅に出るんだけど、結局青い鳥は自分の家にいた、みたいな。私たちの音楽が日常の些細な幸せを見つけるためのきっかけになればいいなと思うんです」(千葉)。

日常風景のなかに違和感なく溶け込んでいくようなカンファタブルな雰囲気に満ち溢れている。タグを見れば、やっぱりそこには信頼のウールマークが――。

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