PROLOGUE――羊毛とおはな
気心の知れたバンド・メンバーと作り上げるオリジナル・アルバムと、アコースティック・セットでカヴァーを聴かせる〈LIVE IN LIVING〉シリーズ。それぞれ異なる表情を見せながら進化してきた羊毛とおはなのサウンドが、どのようにファースト・フル・アルバム『どっちにしようかな』に辿り着いたのか? 新作の話に入る前に、その道程を2人に語ってもらった。
──〈LIVE IN LIVING〉シリーズ、GLAYのTERUさんもブログで絶賛してますね。
千葉「びっくりしました。だって、まさかのTERUさんですよ!? そのブログを読んだGLAYのファンの方がCDを買ってくれてネットに感想を書き込んでくれたり。本当に嬉しいです」
──口コミでじわじわ評判が広がっていった感のある〈LIVE IN LIVING〉シリーズですが、そもそも、この企画はどんな感じでスタートしたんですか?
市川「最初は企画盤としてではなく、あくまでもオリジナル・アルバムとして考えていたんですね。当時は、基本的に2人だけで演奏していたので、自分たちがいますぐできるのは歌とギターを中心にした、こういう弾き語りっぽいスタイルだなって」
千葉「ライヴを観て良いなと思って、いざCDを買ったら全然印象が違うようなことってよくあるじゃないですか。私たちは、そういうものではなく、ライヴでの感じがそのまま伝わるような作品を作りたいなと思ったんです。それで最初は限定2,000枚でリリースしたんですけど、予想以上に好評をいただいて。だったら自分たちの核の部分を伝えていく意味でも継続して出していきたいねって話になったんです」
──毎回、カヴァーが何曲か収録されていますが、選曲の基準は?
千葉「基本的には私たちが影響を受けてきたアーティストの曲を中心に。あとは、NOKKOさんの“人魚”や、オアシスの“Don't Look Back In Anger”とか、羊毛とおはなのイメージとは違うかもしれないけど純粋に自分たちが良いなと思える曲を毎回カヴァーするようにしています」
──オリジナル・アルバムは全面的にバンドをフィーチャーした作りになっていますが、〈LIVE IN LIVING〉シリーズとオリジナル・アルバムの関係性はどのように考えているんですか?
市川「〈LIVE IN LIVING〉シリーズが小説だとしたら、オリジナル・アルバムでは、そこにカラーの挿絵を入れているような感じですね」
千葉「〈LIVE IN LIVING〉とオリジナル・アルバムの両方で演奏している曲もあるので、それぞれを聴き比べてみてもおもしろいと思うんです。〈あ、こういう色が付いたんだ〉って」
──もちろんこのシリーズは今後も継続していくわけですよね。
千葉「少なくともあと20作はやりたいです。たとえ300枚ぐらいしか売れなくなっても(笑)、ライフワーク的に今後もずっと続けていきたいなと思います」
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