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特集

INTERVIEW――avengers in sci-fi

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月02日 18:01

更新: 2010年01月17日 15:08

文/冨田明宏

 

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結成から7年を経てメジャーへ移籍したavengers in sci-fiが、満を持して仕掛ける壮大なスター・ツアーズ! 近年彼らが掲げる〈宇宙〉をテーマにした音作りが、よりアグレッシヴに、よりダイナミックになって、ニュー・アルバム『jupiter jupiter』に結実した。パンク、ハウス、テクノ、エレクトロニカをシームレスに融合させ、振り幅の大きいロック・オペラを展開している。このスケール感は只事じゃない! しかし、そもそも彼らが〈宇宙〉をコンセプトとするようになったきっかけは何だったのだろうか?

「前から宇宙的なものやSF的な世界観が好きだったんですよ。あと、アルバムを出すからには歌詞やサウンド、ジャケットも含めてトータルでコンセプチュアルなものを作らなければ意味がないというか、もったいないと感じていて。ただの作品集にはしたくないし、バンドってそういうものがないとただの兄ちゃんが楽器を演奏しているだけになっちゃうじゃないですか(笑)。それはバンドとして嫌なんですよね」(木幡太郎)。

〈踊れるロック〉が一般化する前から、彼らは果敢にダンス・ビートを採り入れ、コズミックなシンセ・サウンドを大胆にフィーチャーしたロックをクリエイトしている。そんな3人が自身の最新フォーミュラとして提示したかったものは、プリミティヴな音楽の在り方だという。

「二足歩行を始めた人間が生贄を捧げながら手を叩いて音を出すような、音楽を生む原始的・原初的な欲求とか、神や宇宙という超越的な存在と交信するための手段だった時代の音楽の在り方とか……そういうプリミティヴな感覚を各楽曲にパーツとして組み入れて、いままでの僕たちの枠組みにはめ込んでいるような感覚ですね。今回はパイプ・オルガンとか、ボンゴなどの打楽器を入れたり、ゴスペルやオペラを感じさせるような要素も盛り込んでいるんです。宇宙に対する一般的なイメージってピコピコした未来感かもしれないけど、本来は過去から未来までを包括したカオスな存在だと思うんです。その概念をアルバムで表現したかった」(木幡)。

「レコーディングのやり方自体はいままで通りです。もともと俺たちはかなり実験的で、緻密なレコーディングをしているんですけど、毎回新しいことを試すようにしています。今回はギターの重ね録りの時に5本くらいギターを変えて同じフレーズを弾いてみたり、ベースのアンプも2種類用意したり。そうやって挑戦を繰り返していかないと、前作と同じサウンドになってしまうじゃないですか。それだけはどうしても避けたいんです」(稲見喜彦)。

「でも、今回初めて合宿レコーディングをしたってことは大きいですね。山中湖の合宿所だったんですけど、音楽と向き合う感覚がシンプルになれたのはすごく良くて。これまで使ったことのないパーカッションがたっぷり使えたのも、純粋に楽しかったです。朝まで呑んだりしていたので、その影響がボンゴの音に出てるかもな(笑)」(長谷川正法)。

「朝起きて、ご飯食べて、レコーディングして、酒呑んで、寝て……みたいなシンプルさですから。そういった意味でも、原始に返ってましたね(笑)」(木幡)。

メジャーに移籍したことで制作環境も良くなり、〈より自由に音楽と対峙することができた〉と語る3人。少し気が早いかもしれないが、avengers in sci-fiが見据える次のヴィジョンとは?

「やっぱり、この世界観で6曲入りのミニ・アルバムはもったいなかったかもしれないですね。ただ6曲でもヴァラエティーには富んでいるし、そこはすごく気に入ってはいます。でも次はさらに深くコンセプトを掘り下げて、バンドとして発信したいメッセージをもっと盛り込んだアルバムを届けたいですね」(木幡)。

 

PROFILE/avengers in sci-fi

木幡太郎(ギター/ヴォーカル/シンセサイザー)、稲見喜彦(ベース/ヴォーカル/シンセサイザー)、長谷川正法(ドラムス)から成る3人組。2002年に東京で結成。2004年にミニ・アルバム『avengers in sci-fi』を、2006年にファースト・フル・アルバム『avenger strikes back』をリリース。2007年には〈フジロック〉の〈ROOKIE A GO-GO〉や〈RUSH BALL〉に出演。2008年は〈SXSW〉へ出演したほか、FRONTIER BACKYARDやASIAN KUNG-FU GENERATIONのツアーに参加し、『SCIENCE ROCK』を発表。今年に入って木村カエラ“BANZAI”をプロデュースしたことも話題となるなか、このたびニュー・アルバム『jupiter jupiter』(Getting Better)をリリースしたばかり。

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