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CROSS TALK――澤竜次 & 渡辺大知(黒猫チェルシー) × 會田茂一(FOE)

黒猫チェルシー_特集カバー

 

ヴォーカルの渡辺大知が映画「色即ぜねれいしょん」の主役に抜擢されるなど、独特の音楽性とキャラクターで知名度をグングン上昇させている弱冠19歳の4人組バンドが、セカンド・ミニ・アルバム『All de Fashion』を完成させた。古き良きロックの毒で遊びまくる彼らの実態を探るべく、bounceでは渡辺&澤竜次(ギター)と、 THE YELLOW MONKEYのトリビュート盤で黒猫たちのプロデュースを手掛けた會田茂一(FOE)との鼎談を急遽敢行。20歳以上の年の差を隔てて繰り広げられる実録・ロック世代間抗争(!?)をとくとご堪能あれ。

 

優しさで絞め殺すプロデューサー!?

――お互いの第一印象の話から始めたいんですけど、まずはアイゴンさんにお訊きします。今回のTHE YELLOW MONKEYのトリビュート盤で黒猫チェルシーのプロデュースを手掛ける前から、彼らのことを知ってました?

會田茂一「僕は以前に、TVの番組(日本テレビ系〈音燃え!〉)で観てたんですよ。そこで〈おもしろいな〉と思ってたんだけど、黒猫チェルシーという名前は覚えてなくて。で、〈今度、黒猫チェルシーっていうバンドのレコーディングを手伝わせてもらうかもしれない〉って妻に言ったら、〈この間TVで観て、おもしろいって言ってたバンドじゃん〉って返されて。〈え?〉と思って、そこで繋がったんですね」

澤竜次「それで、僕らがLOSALIOSのライヴを観に行った時に初めてお会いして。見た目から〈怖い人かな〉と思ってたんですけど、穏やかで優しい人でした」

會田「メンバーみんなで観に来てくれたんですよ。確かに僕は〈怖そう〉的なことをよく言われるし、あと僕が19の時って、40歳の人とはものすごい壁を感じながら話してた気がするから、〈みんなは僕のことをどんなふうに感じてるのかな?〉って思ってたんだけど」

「僕ら、40歳ぐらいの人とか、年上の人と話す機会が多いんで。全然壁はなかったですよ」

 

黒猫対談_1

 

――今回のトリビュート盤では“パール”を演奏してますけど、プロデューサーのアイゴンさんにはどんな完成形のイメージがあったんですか。

會田「僕はほとんど何もしてないというか。スタジオに入った時に、たぶんみんなはこういう方向を向いてるんだろうな、という雰囲気も感じられたし。変な気負いみたいなものはなかったというか、みんなすごい自然にやってるなというのが僕の印象でしたね」

「めっちゃ考えてましたけどね。〈どうしたらええんやろ?〉って。でも結果的に、自分らでもすごい気に入ってるものが出来たんで」

會田「テクニカルな上手さではなくて、それぞれのパーソナリティーを引き出す演奏の仕方を心得てるんだな、と思って。そういう意味で、無理がない感じがしたんですよ。実はすごい考えてるんだろうけど、そこで変に無理をして自分以上のものを表現しようとせずに、それでも個性的なものを出してるところが実にいいなあと思いました」

――スタジオでのアイゴンさんは、どんな感じでした?

渡辺大知「優しかったです。オーラが見えました」

會田「優しさで絞め殺すタイプなんで(笑)。僕はプロデュースと言っても、夜御飯の時間を決めるぐらいしかやってないです(笑)。あと今回は、エンジニアの南石さんの手腕も大きく反映されたサウンドになっていると思いますね」

 

60年代テイストといまの感覚

 

――アイゴンさん、黒猫チェルシーの新作『All de Fashion』は聴かれました?

會田「はい、聴きました。これはうまく説明できないことなんですけど、僕らと同世代のバンドにはない何かを感じましたね。レコーディングって、ファースト・テイクがすごく良いことが多いんですけど、よく言うのが〈ゼロ・テイク〉というもので。1テイク目の前に、録ってるのか録ってないのかわからないまま演奏した時にすごくいいテイクが録れることがあるんです。黒猫チェルシーのサウンドは、そういう感覚に近い気がします。もしかしたら何十テイクも録ったのかもしれないんだけど、どの曲もファースト・テイクのようなマジックがある印象ですね。無心でその曲を作ってる感じがあるから、曲を聴いた時の肌触りがすごく新しく感じるというか、耳に引っかかる。歌詞もそうだし、サウンドもそうだし、各楽器のリズムや音色もそんな感じがして、〈これは何だろう?〉と思ったんですけど。たとえば僕が18とか19ぐらいの時に、新宿JAMにいたようなバンドの感触に近いのかな。それはネオ・モッズ・シーンと言われていたバンドたちなんだけど――ザ・ヘアーとか、本物志向の格好良いグループがいっぱいいて、その音に出会った時と近いような感覚もする……んだけど、サウンド面では、黒猫チェルシーはまた全然違って。分析的に言うと、60年代的なテイストを感じるんだけど、いまのバンドという認識ができるところがすごくおもしろい気がする」

 

黒猫対談_2

 

――黒猫チェルシーの二人は、ルーツを訊かれたら何と答えてます?

「僕は、いちばん聴いてたのはハード・ロックなんですね。だから、ふと出てくるフレーズとかには、ハード・ロックの影響があるのかなと思ったりするんですけどね。ギターを始めた中学の頃はハード・ロックばかり弾いてて、リッチー・ブラックモアとか、あのへんのコピーをしようとしてました。〈これを弾けたら上手いんや〉とか思って。で、〈リッチーより速く弾くイングヴェイ・マルムスティーンというのがいる〉って聞いたら、〈じゃあイングヴェイをコピーしたら俺はギターが上手いんや〉と思って、で、挫折して」

會田「(笑)」

「その後にジミ・ヘンドリックスとか、60年代の音楽を聴くようになったんですね。ザ・フーのピート・タウンゼントにしても、ソロは速く弾かないけど、すごい味のあるギターに衝撃を受けて。だからその二つですね。ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンみたいなハード・ロックのフレーズと、60年代の〈ジャカジャーン!〉みたいなギターの弾き方と」

 

黒猫対談_3

 

會田「いま思ったんだけど、僕もリフを弾くのが好みだから、そこにシンパシーを感じるのかもしれないな。日本の音楽は絶対的にハーモニーとかコードがメインだと思ってるんですけど、いま僕がFOEでやってる音楽も〈リフの応酬〉って言ってるぐらい、ベースもギターもみんなリフみたいなもので構成されてるし。黒猫チェルシーも、リフだから好きなのかもしれない。さっきも言った、新宿JAMにいたバンドもみんなリフだった気がする。リズム&ブルースとかブルースから派生したブルージーなリフがあって、その上で歌を歌っていて、ドラムもベースも全員リフをやってるみたいな感じというか。澤くんの話を聞いていて、〈そうか、リフなんだな〉という気がしました」

――大知くんは、いちばん影響を受けた音楽というと?

渡辺「自分でもよくわかんなかったんですけど、最近考えてみて、そういえば憂歌団かなと思ったんですよ。中学生ぐらいまでは、声がきれいで歌の上手い人が好きで、自分も歌が上手くなりたいと思って練習したりしてたんですけど、憂歌団はダミ声で格好良いと思った初めての人だったというか。〈こんなのがあるのか〉と思って、練習してみたんですけどできなくて。で、高校生になってから、澤と啓ちゃん(岡本啓佑:ドラムス)がやってたバンドのライヴを観に行った時に、ヴォーカルがめちゃめちゃに歌ってるのを観て、〈できてる奴がおるやん〉と思って。〈自分が練習しても出なかった声が出てるやん、すげぇな〉と思いながらも、悔しくて。〈俺もそういうふうにやったろ〉って思いましたね。だから影響を受けたバンドは憂歌団と、澤と啓ちゃんがやってたバンドかもしれないです(笑)」

 

黒猫対談_4

 

會田「僕もこの年にして、ダミ声になりたいんですよね。もうずっと思ってるんだけど、全然できなくて」

「でも、すごいセクシーに歌われますよね。好きです」

會田「いやいやそんな。ダミ声が出ないから、ハードな曲をやっても細い声になっちゃって」

渡辺「僕もそうだったんですよ。中学生の時には」

會田「どうやったの? バーボンとか飲んで(笑)?」

渡辺「(笑)僕も最初はわかんなくて。黒猫を組んだ時もうまくできなくて不安だったんですけど、〈とにかく適当に叫んでてくれたらいいから〉って言われて。そうすると、ライヴ1回やるたびに必ず声が潰れて、2~3日声が出なくなってたんですよ。それを繰り返してたら、なれました」

會田「僕、41になるんだけど、それをやって大丈夫かな(笑)。でもダミ声になりたいんだったら、それを超えないとね。喉は筋肉って言うもんね……この話、いい感じですよね。41になる男が19歳の男に〈どうやったらダミ声になるんですか?〉って訊いてるというのは(笑)」

 

引いたカードが全部当たり

 

黒猫対談_5――(笑)黒猫の二人は、ロックの歴史を遡って、順序立てて聴いたりします?

「順序立ててというよりは、自然と聴いてたみたいな感じですね。僕が自分で音楽を聴くようになったのはボン・ジョヴィが最初で、その次がクイーンで。僕は雑誌の〈BURRN!〉をずっと読んでたんですけど、〈ボン・ジョヴィとエアロスミスが……〉とか書いてあると、〈エアロスミスって?〉と思って聴いてみたりとか、それで〈エアロスミスとキッスがジョイント・ライヴをする〉という記事を読めば、〈キッスってどんなバンドなんやろ〉って。結局、80年代のバンドが〈好きなバンド〉として挙げるのが70年代にいて、70年代のバンドが好きなのは60年代のバンドで、とか……ビートルズやジョン・レノンが影響を受けたのはバディ・ホリーだとか、エルヴィスだとか、そういう感じで一つのバンドを好きになると自然と繋がっていくんですよ」

會田「僕らの世代の音楽の聴き方に、すごく近い感じがする。僕も雑誌を読んだり、日本盤のレコードを買ってライナーノーツを読んで、〈この人はこんなメンバーと絡んでいるから、じゃあそれも聴いて……〉って、どんどん探っていったから。そのなかでも黒猫チェルシーは、ジョーカーを引いてないというか、ちゃんといい具合にいいものだけを聴いていってる気がする。一つのバンドに入りすぎてそのバンドの真似で終わっちゃうみたいな、そういうものじゃなくて、たぶん〈引いたカードが全部当たり〉みたいな感じじゃないかな」

「すごいオーソドックスなロックばかり聴いた後に、メタルを聴く時期があって、その次に日本のバンドを聴くようになって。ゆらゆら帝国とか、あぶらだことか、DMBQとか、ギターウルフとか、そのへんのバンドばっかりずっと聴いてて。INUとかスターリンとか村八分とかも。その時には〈それ一つだけ〉みたいな感じになってたんですけど、今度は日本のすごいポップなものも聴くようになって、〈こういうメロディアスな音楽はどこから来てるのかな〉と思って、外国の80年代のニューウェイヴとかを聴くようになったりとか。そんな感じで、ずっと続いて行くんやろなと思いますけどね」

黒猫対談_6會田「そこがまた楽しそうでいいよね。そういうところに興奮して自分たちも音楽を作ってるというのは健全だと思うし、音楽家としてすごくいい状態だなと思いますね。僕が黒猫チェルシーを聴いていいなと思うのは、ヤワな感じがしないところ。ただ単にいろんな人に聴いてもらおうとしているだけじゃなくて、みんなにショックを与えるということを、間口の広さのなかで伝えているところが格好良いなと思いますね。ホント、あぶらだことかそういう名前が出てくると、すごいなぁと思いますよ。だから世代とか言うよりも、音楽好きの人がオリジナリティーを求めて音楽を作っているということで、自分にも引っかかるものがあるんだろうなと思います。あと、日本語に着地してるところがすごく好きですね。英語でやってるグループって、僕らの世代にもたくさんいるんだけど、ものすごい格好良いサウンドでも、日本語でやってないとどこかで満たされない気分になる」

「僕が洋楽ばっかり聴いてた頃というのは、英語なんてわかんないじゃないですか。だからメロディーとかリフとか曲調だけで曲を捉えていて、〈歌詞とかどうでもええわ〉って思ってたこともあったんですけど、ある時、エレファントカシマシを聴いた時にドスーンと来て、自分らで理解できる言葉の力はすごいんやなと思って。そういう、ズドーンと真正面から来る言葉もあれば、ゆらゆら帝国とか村八分とかの言葉遊びも自分の好きなリフと絡み合って入ってきて。理解できる言葉でないと、もう一つ響くものがないんかな、というのはすごい強く思うんです」

渡辺「僕が洋楽をあまり聴かなかったのは、何が言いたいのかわかんないからで。まあ、何が言いたいのかを考えながら曲は聴かないですけど、歌詞まで耳を持っていけないというか。洋楽を聴く時って絶対ギターとかメロディーだけになるんですよ。だから僕は日本語の曲ばっかり聴いてたんですけど」

 

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會田「僕もね、ちょうど20年ぐらい前には、別に歌詞なんてどうでもいいと思っていて、適当英語みたいな感じでやってたこともあったりしたんだけど、それがつまんなくなってきちゃってきたのね。自分でやっても、人のを聴いても興奮できないし。僕の先輩にコレクターズというバンドがいて、普通に洋楽が好きで音楽やってる人たちなんだけど、がっちり日本語に着地していて。そういうところを近くで見て、これをやらないでいると自分が音楽に醒めていっちゃうだろうなと思ったから、エルマロでは日本語で歌詞を書こうと。あと、当時よくいっしょにいたキミドリというグループのクボタ(タケシ)くんは、英語がネイティヴぐらいにしゃべれるんだけど、日本語でラップをやっていて。〈頭のなかでは日本語で考えているんだから、日本語で歌わないとおかしなことになる〉っていうことをふと言っていたのを聞いたのが、ターニング・ポイントだったのかな。でも、僕らの世代以降のバンドでも英語でやってるバンドは多かったし、それでたくさんの人を惹き付けてるバンドも多いから、あんまりこだわらなくなったのかなと思ってたんだけど。ここに来て黒猫チェルシーとかを聴くと、また違った感覚のグループが出てきたんだなぁと思って」

「せっかく日本のバンドやから、外国で演奏したとしても日本語で堂々と歌うっていう。フランスのバンドならフランス語で歌うだろうし、その国の言葉で、日本語独特のおもしろい言い回しとかもあるし、そこのこだわりはありますね」

會田「いいですね、そういうところが」

 

冷めてきたロックを熱く復刻

 

――澤くんは、先日の誌面のインタヴューでも言ってましたよね。いまは昔に比べて、ロックというものに対する驚きが薄れてきてる時代だけど、そういうふうに〈冷めてきたロック〉をもう一回熱いものにして、全然ロックを知らない人たちを食いつかせたい、って。

「はい。たぶん60年代や70年代はロックも出はじめで、出てくるバンド出てくるバンドみんなに衝撃を受けて、ということが多かったと思うんですけど、いまはロックが普通にTVでも、街を歩いてても流れるじゃないですか。みんなが聴きやすいものになってる。そこを〈冷めてるな〉って感じるんですけど、でもそういうのじゃなくて、中学生とか女子高生の人とかが〈何やこれ!〉って思ったりとか、それだけじゃなくて、単純にリフとか歌詞とかを〈格好ええな〉と思ってくれたら嬉しいな、って。けっこう高度なことをやるバンドが増えてるなかで、〈こんな単純なギターと単純な歌で、楽しめるんやで〉みたいな。みんな、もっと気軽にライヴハウスに来て、単純なことで楽しんでくれたらなってすごく思います」

 

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會田「そういう魅力的なものであり続けたいと思うよね。僕らもライヴをやる時にはそうだし、観に来る人も〈今日はライヴだ〉と思ったら、ライヴハウスに着くまでの時間も観てる時間も楽しみの一部だから。家でDVDを早送りして1時間で観れるものとは違う。だからこそ意味があると思うし、黒猫チェルシーがそれをやろうとしているのはすごく頼もしいし、格好良いなと思いますね……そうなんだよね、僕から見るとヤワに思えるものが多いというか、自分が思うロックというものとそうでないものとの垣根が、いまはあいまいな気がしますね。ゴツゴツしていたりとか、ビックリするものとか、ちょっと怖いと思うぐらいのものに、もっともっと人が集まってもいいんじゃないかなと僕は思うし。これはよく話す例えなんだけど、みんな、映画とかだと観たこともないものとかものすごく怖いものとかが好きなんだけど、音楽だとどうして耳馴染みのいいものばかりを聴くのかな?って。遊園地とかでも、怖いものに人が並んだりしてるじゃないですか。なのになぜ音楽は?って」

「ジェットコースターみたいな感覚で聴いてくれたら嬉しいですけどね。でもやっぱり、音楽は衝撃を受けるもんやと思ってる人が少ないってことですかね」

 

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渡辺「音楽がBGMになってきてるんですかね。娯楽というより、流れててくれればいいみたいなものになってるのかなって、たまに思いますけどね。〈この音がいい〉というような感覚がないというか、そこを感じながら聴く人が少ないというか。〈いまのフレーズがいい〉とか〈このグルーヴがいい〉とか、もっと感じてくれればハマるんじゃないかなと思うんですけどね」

「僕は小学生の頃にボン・ジョヴィを聴いてましたけど、ロックという言葉を知ってるぐらいで、バンドがどういうものかとか、そういうことはあんまり理解できなかったし。それがジミ・ヘンドリックスを観た時にコロッと変わったというか。そういうちょっとしたきっかけなんですよね。いまの中高生とかにとって、僕らがその〈ちょっとしたきっかけ〉になれたら嬉しいなと思いますね。僕らが作る曲には、そういうところがあるんですよ。僕らが最近聴いてる音楽を〈こんなん聴いてるんだけど〉って人に勧めるみたいな。〈これ、格好良いやろ?〉って勧める気持ちというか」

渡辺「高校の友達とかで、趣味を訊いても〈別にないわ〉っていう人がけっこう多いんですよ。あとは、〈音楽はやりたいけど、ギター弾かれへんから〉とか……そういう人こそ、きっかけがあれば音楽に入りやすいだろうし、どんどん楽しくなっていくものだと思う。音楽ってやるのは簡単だから、もっとみんなやってみればいいのにと思いますね」

 

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會田「僕も、音楽が好きになっていろんな音楽を聴きはじめた頃は、ヘッドフォンで真剣に聴いたり、今度ライヴに行くから通常の倍ぐらいの音量で聴いて耳を慣らしておこうとか(笑)、そういうことをしていたぐらいに〈音楽を聴く〉っていうのは夢のある行為で、楽しい行為だったんだよね。そういう体験をしたぶん、音楽は楽しくて豊かなものなんだよ、ということを伝えたくて音楽活動をしてるところがあって」

「でも、いまも音楽を聴く人がこれだけ多いということは、もともと人間が求めるリズムみたいなものがあるんちゃうかな?って僕は思うんですよね。形はどんどん変わっていっても、そういうリズムみたいなものは求められ続けるんちゃうかなと思います」

――アイゴンさん、大知くん、澤くん、今日はどうもありがとうございました。最後に、黒猫チェルシーは全員10代という若さでのデビューになるんですけど、ミュージシャンの先輩として、アイゴンさんから何かアドヴァイスをもらえますか。

會田「僕がデビューしたというか、GO-BANG'Sというバンドでギターを弾いて音楽の仕事を始めたのが19の時なんですよ。あの頃とは時代が違うし、いろんな面で進化してると思うんですけど、こういうふうに音楽の豊かさを啓蒙してくれるバンドがいることを心強く思います。特にアドヴァイスということもないんだけど、いまみたいにショックを与え続ける音楽で、武道館とかもやってほしいですね。僕もがんばりますから」

澤&渡辺「ありがとうございます。がんばります!」

 

▼黒猫チェルシーと會田茂一関連の作品を紹介

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月02日 18:00

更新: 2010年01月17日 15:08

インタヴュー・文/宮本英夫、写真/RyoNakajima(SyncThings)

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