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特集

PILLS EMPIRE

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月02日 18:00

ソース: 『bounce』 316号(2009/11/25)

文/冨田 明宏

  2000年代以降は、フィジカルに踊れることが若者の熱狂するロックにとって重要な意味を持ちはじめた。ライヴハウスとクラブの垣根が破壊され、クロスオーヴァーもしくはエクレクティックという概念がブーム化したことで、世界的にもダンサブルなロックが激しく盛り上がっていった。享楽的に楽しめる音楽であればロックであろうがテクノであろうがジャンルは問わない。そんな発想はひとつのトレンドとして日本でも火が点き、ロックとエレクトロを結ぶいくつかの優秀なバンドが誕生した。その代表格がこのPILLS EMPIREである。プライマル・スクリームの『Evil Heat』期を思わせるマシナリーで暴力的なビートに、カサビアンを彷彿とさせるレーザーのようなシンセ・サウンド、そして耳に斬り込んでくるノイジーなギターとベースが轟く、まるで落雷を伴う暴風雨のようなサウンドを志向している。シューゲイザーを思わせるナンバーもあるが、一貫してダークかつゴシックなメロディーを内包している点が興味深い。そこには90年代のネオ・サイケデリアやゴシック・パンク、最近だとホラーズなどからの影響もあるのではないだろうか?

 ちなみに、彼らはthe telephonesと別掲のQUATTROやTHE BAWDIES、THE BRIXTON ACADMYと共に〈Kings〉というイヴェントを主宰し、日本に新しいシーンが根付くようにと活動を展開している。2010年代に彼らがどのようなシーンを築いていくのか、注意深く見届けたい。

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