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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月02日 18:00

ソース: 『bounce』 316号(2009/11/25)

文/土田 真弓

  想像を絶しすぎて、とりあえず笑うしかない。パンク、プログレ、ハードコア、サイケ、ハード・ロックなどが組んずほぐれつひしめき合っているうえに、天晴れなほど時流を無視した楽曲。執拗な転調&変拍子使いによってそのフォルムはとんでもなくイビツなのだが、なぜか激烈にポップであるという……。〈テンションこそすべて〉と言わんばかりの勢いで意味と無意味の境界を綱渡る弱冠20歳の4人組=FAR FRANCEが、ライヴ・アルバム『LOVE』で登場したのは2008年のこと。ファッション性は完膚なきまでにゼロな(失礼)、異形の新世代だ。その後、今年2月に初のスタジオ録音盤『AHYARANKE』を発表。意味不明のタイトルを持つ本作も、キング・クリムゾンmeets村八分というか、レッド・ツェッペリンmeetsあぶらだこというか……な、過剰にして珍妙なローファイ・ハードコア・サウンドが満載の逸品である(謎の“飾りじゃないのよ涙は”の引用もアリ)。さらに、ほぼ一発録りのデジタル音源をあえてアナログ・テープに落として潰したという粗めの音質は、ムワッと立ち込める湿度高めのサイケ感とプリミティヴな衝動をしっかり密封。ホラーまがいのオドロオドロしさを纏った「ガロ」テイストな歌詞との相乗効果で、素晴らしきカオスの世界を現出させている。その特濃ぶりに感覚が麻痺し、激しく踊ってしまうこと請け合いだ。ちなみに、最新作の表題の名付け親であるベーシストは来年1月のライヴをもって脱退予定で、今後は残る3人でネクスト・フェイズに突入する模様。

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