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特集

踊ってばかりの国

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月02日 18:00

ソース: 『bounce』 316号(2009/11/25)

文/土田 真弓

  黒猫チェルシーと双璧をなす神戸発のバンド――それが踊ってばかりの国だ。ハバナ・エキゾチカのアルバム・タイトルをバンド名に掲げた、20歳そこそこの4人組である。今年3月に発表された自主制作盤『おやすみなさい。歌唄い』が異例の好セールスを記録し、7月に全国流通を開始。その帯には〈ぷりぷりサイケ・ポップ〉という記述があるが、これがまた言い得て妙な表現だ。『ぷりぷり』と言えば、ボ・ガンボスの前身バンド=ローザ・ルクセンブルグのデビュー作、そして『踊ってばかりの国』はフィルターを幾つも重ねたようなサイケ感を纏った、ハバナ作品のなかでも異色の一枚で……そう、『おやすみなさい。歌唄い』のなかには気怠いグルーヴと深いエコーに覆われた、アーシーなロックンロールが鳴り響いている。しかも、とんでもない人懐っこさをもって、だ。フォーク、ブルース、カントリーなどの咀嚼の仕方にRCサクセションの、揺らぐような音像と孤独感を滲ませた歌詞にフィッシュマンズの影を見る人もいるかもしれないが、そんなサウンドをディープかつフレッシュに構築するアイデアは、音楽がタイムレスに並ぶ時代に生まれた彼らの世代ならではのものだろう。アングラな匂いとポピュラリティーが絶妙に折衷された〈ぷりぷりサイケ・ポップ〉がこれからどう進化するのか気になるところだが、レーベルのブログでは先日何らかの録音が終了したとのアナウンスが。もしかして、次の一手は近いかも?


ハバナ・エキゾチカの91年作『踊ってばかりの国』(ミディ)

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