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特集

2010年(代)のロック・シーンを掻き回すバンドはコレ!(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年12月02日 18:00

ソース: 『bounce』 316号(2009/11/25)

文/加藤 直子、金子 厚武、土田 真弓、冨田 明宏

The John's Guerrilla
『Seize The Time』
 CRUX(2009)
〈NEW PSYCHEDELIC〉を自称し、ドアーズに影響を受けたという荒涼としたサイケ感を纏う破壊力満点のガレージ・ロック。しかし驚くほどオアシスな瞬間が。メロディーや歌声、歌い方まで……カサビアンがオアシスをカヴァーしたらこんなかも。そんな曲もありつつ、不穏な空気をつんざく重たいビートやザラついた音の質感にはやたら惹かれる。*加藤

QUATTRO
『FOR A FEW DOLLARS MORE ep』
 LillBallet(2009)
60~70年代のブルース~サイケデリック・ロックを〈今風〉に鳴らすという温故知新的な佇まいはTHE BAWDIESと相通ずる部分もあるが、QUATTROの特徴はその逆もフラットにやってのけるという点。この4曲入りシングルではブリット・ポップ・モードのようだが、彼ららしい泥臭さとヴィンテージな空気感が自然と滲み出ていておもしろい。*土田

おとぎ話
『青春GALAXY ep.』
 UKプロジェクト(2009) 
ジャケには〈NIRVA~〉とあるが、グランジなファズ・ギターを唸らせても、ガレージ・パンクなリフを畳み掛けても最終的には老若男女が歌えそうな〈みんなのうた〉に着地させるメロディーセンスは、ビートル・フリークである中心人物=有馬和樹の出自ゆえか。彼らのプロフィールの言葉を借りれば、〈ロックの範疇にいながらポップスのド真ん中〉である。*土田

SISTER JET
『JETBOY JETGIRL』
 felicity(2009) 
ルックスやヴォーカル・スタイルにはどことなく〈渋谷系〉の風情を漂わせているが、音楽性の端々にはリバティーンズやレイザーライトなど2000年代中頃のUKギター・ロック・バンドや、初期のザ・フーを匂わせる粗くザラついたサウンドが息づいている。ダンサブルなロック・バンドのなかでも、ここまでメロディーセンスが際立っているのは珍しい。*冨田

THE BAWDIES
『IT'S TOO LATE』
 Getting Better(2009) 
予備知識なく彼らの音楽を聴いたならば、2000年代に活動するバンドのものだとは到底思えないだろう。リズム&ブルース~ソウルのテイストが強い初期のロックンロールをルーツに持つ音楽性と、オーティス・レディング譲りのヴォーカルという50~60年代マナー。しかしまだ20代の4人組はそれを現代的に、スタイリッシュに鳴らすのだ。*金子

THE CIGAVETTES
『taste of the sun』
 GLOBLUE(2009) 
ビートルズやザ・フーら60~70年代のブリティッシュ・ロックを、文字通り現代にリヴァイヴァルさせたかのような音を鳴らす、〈日本のリヴァプール〉こと福岡出身の兄弟を含む5人組。よく練られたコーラス・ワークに玄人も唸るバッキングのセンス、スウィンギンなビートをもって、オアシス亡き2010年代を代表する兄弟バンドとなれるか(言いすぎ?)!? *金子

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