2010年(代)のロック・シーンを掻き回すバンドはコレ!
THEクルマ
『エレキトリックの感染源』 DIWPHALANX(2009)
人を小馬鹿にしたような(?)バンド名だが、音は無駄なく鋭くストレートに爆走するパンク・ロック。しかも初期ロンドン・パンクの煽情的で攻撃的な側面を継承しており、いまどき珍しくダムドやジャム、さらにはブルーハーツの影響も垣間見える。本作ももちろん良いのだが、彼らが本領を発揮するスリリングなライヴもぜひ観てほしい! *冨田
JAPAN-狂撃-SPECIAL
『This is なめんなよ』 キューン(2009)
まるで漫画「特攻の拓」から抜け出したようなヤンキー・ファッションに身を包み、根性や気合いといった体育会系の精神論を伝播する80年代の申し子たち。現代ならではのステレオタイプな〈昭和風バンド〉。もっと言うなら横浜銀蠅に近いかも。ライヴでの気迫や突進力はかなりのもので、ラフィン・ノーズやギターウルフ的なノリも感じさせる。*冨田
Who the Bitch
『ミラクルファイト de GO! GO! GO!』 DCT(2009)
刺激的なバンド名や〈場末のキャバ嬢とジゴロ〉がコンセプトだというヴィジュアルも含めて、みずから猥雑な存在を演出している。直情的なノリのパンク・バンドでありながら、コンセプチュアルなグループと言えそうだ。ビジー・シグナルズのようなフィメール・パンクやビキニ・キルといったライオット・ガール系バンドの影響が強い様子。*冨田
毛皮のマリーズ
『Gloomy』 JESUS(2009)
ストゥージズやセックス・ピストルズなどの初期パンクをはじめ、ソングライターである志磨遼平の膨大な音楽ルーツを確信犯的に忍ばせる、という手法でロックンロールを体現する4人組。ともかく志磨のロック愛は凄まじく、本作ではビートルズを根底に置きながら、可愛さ余って憎さ百倍的な凶暴さで図太いサイケデリック・ガレージ・ロックをぶっ放している。*土田
壊れかけのテープレコーダーズ
『聴こえる』 ハヤシライス(2009)
ドリーミーな音色のオルガンとノイズ・ギターが作り出す、深いリヴァーブのかかったサイケデリックなガレージ・サウンドが、バンド名以上に大きなインパクトを与える男女ツイン・ヴォーカルの4人組。まるでグループ・サウンズのような清々しくポップなメロディーが醸し出すノスタルジーは、きっと若い世代へ新鮮に響くことだろう。*金子
マヒルノ
『ジェネリックミュージック』 PERFECT(2009)
キング・クリムゾンやピンク・フロイドなんて名前を躊躇なく使いたくなる、国も年代も飛び越えたプログレ・ナンバーの数々はまさに突然変異的! フランク・ザッパのような変態性の強いギターを聴かせる大竹康範と、Luminous Orangeのサポートも務めるベースの河野岳人を軸とした、ジャズやハードコアも呑み込むプレイヤビリティーの高いライヴも圧巻である。*金子
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