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BON JOVI CAN T BE WRONG! 自己満足なDIY精神よりも、良曲作りを優先した彼らに拍手!

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2009年11月04日 18:00

ソース: 『bounce』 315号(2009/10/25)

文/村上 ひさし

 ジョンとリッチーという鉄壁なソングライター・チームがバンド内にいながら、早くから外部のソングライターを起用してきたボン・ジョヴィ。なかでもデズモンド・チャイルドとは“You Give Love A Bad Name”で初の全米No.1ソングを放って以来、数多くのヒットを共作し、近作ではエグゼクティヴ・プロデューサーとしてクレジットされているほどだ。が、両者が初めて顔を合わせた80年代中期といえば、まだまだロック・バンドが外部ライターと仕事をするのに抵抗のあった時代。翳りが見えてきたバンドの梃入れ、再浮上を狙うバンドの活性剤として、もしくはシングル・ヒットの保険としてレーベル側の意向で職業ライターが投入されるケースはあったが、そんな否定的イメージをひっくり返した存在こそBJに他ならない。潔くひとつの鋳型を提示してくれたというわけだ。

 デズモンドはその後、ジョーン・ジェットやリッキー・マーティンなど、アーティストがさらなるブレイクを狙う際のブレーンとして大いに重宝される人材となったが、他にもBJは有能なライターの起用に積極的だった。『New Jersey』(88年)では、映画「アルマゲドン」におけるエアロスミスのアレより10年も早く、〈バラードの神様〉ことダイアン・ウォーレンと合体(折しもダイアンの書いた曲でスターシップがブレイクしたばかりの時期)。また、2000年『Crush』では、ブリトニー・スピアーズでお馴染みのマックス・マーティンに加え、いまや売れっ子プロデューサーのグレッグ・ウェルズをいち早く起用していたのにもビックリだ。その後も、グレッグと同じくケイティ・ペリーにも楽曲を提供しているアンドレアス・カールソン(彼はマックス・マーティンの門下生でもある)、ジェシカ・シンプソンやケリー・クラークソンとの仕事で知られるジョン・シャンクスを絶妙なタイミングで起用していることも付記しておこう。

 職人ライターが作った楽曲はメロディー主体でフックが満載、生半可な歌唱力では歌いこなせない。逆に言えば、歌い手の持てる力を最大限に発揮できるからこそ〈アメリカン・アイドル〉のようなオーディション番組ではBJ曲が好んで歌われることになる。そこ出身のボー・バイスのデビュー作『The Real Thing』がBJの制作陣とかなり被っていたのは頷けるし、ドートリーなどもあきらかにこの系譜にあると言えそうだ。

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