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特集

BON JOVI(3)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2009年11月04日 18:00

ソース: 『bounce』 315号(2009/10/25)

文/鈴木 宏和

オレたちはトレンドを追わないできた


  ボン・ジョヴィの〈9.11〉以降の表現を考察してみた時、そこから浮き彫りになってくるものがある。それは、言葉にすると陳腐になることを承知で書けば、誠実さだ。グランジ勃興期こそ格好の仮想敵として産業ロックなどと攻撃された彼らだが、バンドは83年の結成以来、移りゆく時代と真正面から向き合いながら、聴き手の、いや、自分たち自身の心にリアルに響く歌を追求してきたのである。また音に関していうなら、彼らが一貫して鳴らしてきた、ダイナミックでアグレッシヴ、ポップで開放感溢れるビッグなサウンドは、もはや王道アメリカン・ハード・ロックとしての風格さえ漂わせているし、こんなダークで靄がかかったような時代にこそ、その真価をより発揮するのではないかと思う。

 「何かが流行ると、成功するためにはそのトレンドを追わなきゃいけないと考える人もいるようだけど、オレたちはそういうことをしないできた。ヒップホップが成功しているからといって、ラッパーに参加してもらったことはないし、ボーイズ・バンドが成功してるからって、振り付けをして踊ったりはしなかったからね(笑)。オレたちは、自分たちがやりたいことだけをやり続けてきて、その不屈の態度が成功に繋がったんだ」。

 今年デビュー25周年を迎えたボン・ジョヴィ。そのアニヴァーサリー・イヤーを飾るべく、通算11枚目のニュー・アルバム『The Circle』が発表される。この原稿を書いている時点で全貌はまったく見えていないのだが、個人的には、何かが変わる予感に満ちた2000年代末の世界に対して、声高らかに連帯を呼びかけるような、熱くて力強いロック・アルバムになっていると確信している。タイトルも実に彼ららしい。到着をしばしお待ちいただくとして、最後にジョンの誠実さが窺い知れる、ちょっと良いコメントをお届けして、拙稿を締めさせていただきたい。

 「25年というのは、本当に長い年月だよね。もちろんオレは、自分たちがこれまでに成し遂げてきたことを心から誇りに思っている。だけど、いちばん誇りに思うことは、25年という長い月日が経ってもいまだにオレたちを信じてくれる人がいるということ。そしてこうやって、君たちが話を訊きに来てくれるってことなんだ。日本の人たちがいまだに、ボン・ジョヴィの新作が完成するということを、しっかりと知ってくれているという事実なんだよ。本当に、いまこの瞬間こそを誇りに思うよ」。         

▼ジョン・ボン・ジョヴィが出演しているTVドラマのDVD。


「アリーmyラブ 5thシーズン」(20世紀フォックス)

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