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特集

BON JOVI

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2009年11月04日 18:00

ソース: 『bounce』 315号(2009/10/25)

文/鈴木 宏和

  それにしても、2007年にリリースされたボン・ジョヴィのアルバム『Lost Highway』が、オリコン総合チャートでNo.1を獲得したのは驚きだった。ナッシュヴィルでレコーディングされた同作は、カントリー・ミュージックとのクロスオーヴァー作品であり、バンドとして進化し続けようとする彼らの気概と、枯渇することのないクリエイティヴィティー、チャレンジ精神といったものに惹かれた一方で、カントリーがまったく根付かない日本でのセールスは、さほど期待できないのではないかと思っていたからだ。それが、並みいるJ-Pop勢を押さえての初登場1位。しかも、洋楽アーティストで総合チャートNo.1のアルバムが4枚というのは(過去3枚は、94年発表のベスト盤『Cross Road』、95年の『These Days』、2005年の『Have A Nice Day』)、ビートルズをも上回る快挙。いかにボン・ジョヴィが支持されているか、この数字からも窺えるだろう。

 しかし、彼らが巻き起こしたバズは、日本に限ったことではなかった。『Lost Highway』は全米でも『New Jersey』以来19年ぶりとなる1位に輝いたほか、ヨーロッパ各国のチャートも軒並み制している。さらに、同作を引っ提げて行われたワールド・ツアーは、2008年のツアー興行収益で堂々のトップに。底力というのか、あるいは回春とでもいうべきか、バンドの尋常じゃないタフさを思い知らされた。  当時の状況を振り返って、フロントマンのジョン・ボン・ジョヴィ(ヴォーカル)は、こう語っている。

 「オレたちは危険な賭けをして、あのアルバムを作った。でも同時に、あの時はああいうサウンドだけがオレたちの心を動かした、ということでもあったんだ。あの時期はリッチーの人生に起きたこと(註:アルコール依存症になったことを指していると思われる)とか、デヴィッドの離婚とか、バンド内でいろいろあったからね。アーティスティックな決断ではあったけど、メンバー間でそういう胸中を吐き出す必要があったことも関係していたと思う」。

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