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特集

INTERVIEW――NORAH JONES

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年10月28日 18:00

文/内本 順一

美しさと荒削りな部分との調和

  「バンドは大事よ。サイド・プレイヤーが何人かいて私が歌うというスタイルではなく、やっぱりバンドでやってこそ生まれるケミストリーってあると思うから」。

 これはノラ・ジョーンズの、デビューした当時の発言だ。かようにノラはバンド表現にこだわってきた。デビュー前に知り合ったベーシストのリー・アレキサンダーを中心に、気の合う仲間を集め、レコーディングもツアーもほぼ同じメンバーで行ない、やがてバンドとして固まり、それをハンサム・バンドと名づけ、ノラとハンサム・バンドは一枚岩となって進んできたのだ。が、昨年、公私に渡るパートナーだったリー(彼はサード・アルバム『Not Too Late』のプロデュースも手掛けていた)と破局。彼女はそのことについてのコメントはしていないが、どう考えてもそれがきっかけではあったのだろう。ノラとハンサム・バンドは別々の道を歩むこととなったのだった。


  「ツアーもレコーディングも、いままでずっと同じ人たちとやってきた。でも今回は友達としてやってきたミュージシャン仲間から離れて、違う人たちと作ってみようと思ったの。〈自分の小さなミュージック・シーン〉からちょっと離れてみることに興味を覚えたわけ。過去を断ち切ろうとしているわけじゃないのよ。いつかまた機会があれば、ハンサム・バンドのメンバーたちといっしょにやることもあるかもしれない。全員ではないけど、何人かとはたまに連絡をとったりもしているしね。でも、いまはとにかく新しいチャレンジをしたかったの」。

 そうしてノラは、新しい人たちと新しいサウンドのアルバムを作ろうと踏み出した。はじめに行ったのは、パートナーとなる人物探し。選ばれたのは、トム・ウェイツ、キングス・オブ・レオン、モデスト・マウス、最近ではミュートマスのような若手も手掛けているプロデューサー兼エンジニアのジャクワイア・キングだった。

 「私の大好きなアルバムであるトム・ウェイツ『Mule Variations』に目が留まって、エンジニアのクレジットを確認したらジャクワイアの名前があったの。あのアルバムには私の求めている要素があった。美しさと荒削りなところがいい調和を見せていたのね。それでお願いして。私なりに今作の音のイメージを漠然と持っていたのだけど、それをどのように実現させたらいいのかがわからなくて、その点でジャクワイアはすごく助けてくれたわ。いままで私が経験してきたものとはまったく違う視点で作業をしてくれた。ラッキーなことに彼とすぐに信頼関係を築けて、素晴らしいミュージシャンをたくさん連れてきてくれたの」。

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