GOOD THING GOIN' モータウン期の代表的なMJリサイクル(2)
DAVID T. WALKER
『David T. Walker』 Ode/ビデオアーツ(1971)
説明不用の敏腕ギタリストとして有名を轟かせた彼が“I Want You Back”など初期のJ5セッションに参加していたことはさほど知られていないかも。ここでは“Never Can Say Goodbye”の洗練されたカヴァーを披露し、楽曲としての高い完成度を認識させてくれる。*出嶌
MC HAMMER
『Platinum』 Capitol
マイケルにダンス対決を申し込んだこともある娯楽ラッパーの王様! 89年の記録的な大ヒット作『Please Hammer Don't Hurt'em』には“Dancing Machine”をネタ使いした“Dancin' Machine”を収録。なお、彼と並び称されたヴァニラ・アイスさんも同ネタで“Dancin'”を発表している(安易……)。*出嶌
Folder
『7SOULS』 avex tune(2000)
詳細はP18を参照! “I Want You Back”のカヴァーはもちろん、コモリタミノルが変声期の大知にMJを幻視した“Everlasting Love”は“Lady In My Life”を下敷きにした名曲だ。ところで、同時期にヒットした花*花の“あ~よかった(setagaya-mix)”もモロに“I Want You Back”だったりします。*出嶌
GIRL TALK
『Secret Diary』 Illegal Art(2002)
フィリーのバスタード・ポップ野郎による初作。ここでは“I Want You Back”と題して、J5のオリジナルをベースにリル・ロミオやジェイ・Z、クリス・クロスらの同ネタ曲をマッシュアップしまくり! 以降の作品でも執拗にマイケル絡みのネタ使いを続けていて……バレる前にどうぞ。*出嶌
CARLEEN ANDERSON
『Soul Providence』 Dome(2005)
アシッド・ジャズ期から活動する彼女は、ポール・ウェラーとのデュエットで“(I)Wanna Be Where You Are”をカヴァー。共演者のセンスもあってか、生音主体のアルバムのなかでもひときわ渋くビタースウィートな味わい。コンガとアコギがアーシーに響く。*池谷
WILL.I.AM.
『Songs About Girls』 Will.I.Am/Interscope(2007)
2005年の企画盤『Motown Remixed』から“I Want You Back(Z-Trip Remix)”をさらに再構築し、まったく別の曲に仕上げた“Fantastic”を収録。ウィルは『Thriller』の25周年盤でも“P.Y.T.”のデモ版を素材にしてたし、ふたひねりぐらいした使い方が好みなのかも。*池谷
GRANT GREEN
『Visions』 Blue Note/EMI Music Japan(1971)
“Maybe Tomorrow”と“Never Can Say Goodbye”を収録した本作は、60年代ブルー・ノートを代表するギタリストがキャリア後期に残した円熟の一品だ。モーツァルトからクインシーまでマイケルに縁のある曲が並ぶのも興味深い。ちょうどリイシューされたばかり! *出嶌