耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
CHRISTINA AGUILERA
『Keeps Gettin' Better: A Decade Of Hits』 RCA
ホイットニー唱法のフォロワーなら、ねずみっ子時代に“I Have Nothing”を歌い、BETのトリビュート企画で“Run To You”を捧げたアギレラの名が挙がる。その影響は聴いての通りだが、今回ホイットニーが取り上げた“A Song For You”を、彼女は一足先にハービー・ハンコックの作品で演っていたという偶然も。*出嶌
DIONNE WARWICK
『The Best Of Dionne Warwick』 BMG JAPAN
ホイットニーとはアリスタのレーベルメイトとして同じ時を過ごし、デュエットも実現させた従姉妹のディオンヌ。姉妹かと勘違いしそうなほど、時に容姿がそっくりだったりもする両者だが、ポップ・フィールドで成功した黒人女性シンガーという点で、ホイットニーのいちばん身近な手本になった人だと思う。*林
MARIAH CAREY
『Mariah Carey』 Columbia(1990)
後に“When You Believe”(98年)でホイットニーと共演を果たすマライアだが、ナラダ・マイケル・ウォルデンのブラコン路線を軸にハウシーなアップも備えたこのデビュー作が、先人の成功例をトレースして生まれたのは明白。以降の乱気流人生もダブるところアリ。演技に関しては……ホイットニーの圧勝か。*出嶌
JERMAINE JACKSON
『Jermaine Jackson』 Arista/BMG JAPAN(1984)
カシーフ同様、ジャクソン家の三男もアリスタの住人にしてホイットニーのブレーンだった。ホイットニーの処女作ではプロデュースとデュエットをしていたが、弟MJとの共演も含むこのソロ作では、ホイットニーとのロンリー・チャップリンなアーバン・ソウル“Take Good Care Of My Heart”をひと足先に披露。*林
TERRY LINEN
『Give Thanks And Praise』 Reggedy Joe/KOYASHI(2008)
USでは予想以上に少ないものの、モロにボブ・マーリーな“My Love Is Your Love”効果か、レゲエ勢がホイットニーをカヴァーする例は意外に多い。同曲と“Where Do Broken Hearts Go”をデビュー作で取り上げたテリー・リネンもそのひとりで、この最新作でも“Try It On My Own”を伸びやかに披露しています。*轟
KASHIF
『The Definitive Collection』 Arista
NYサウンドの立役者となったアリスタ所属のシンガーにして、初期ホイットニー作品のブレーンでもあったカシーフ。“You Give Good Love”で披露したアーバンなソウル・センスは自身のソロ曲でも発揮されており、ディオンヌ・ワーウィックとも“Reservations For Two”という名デュエットを残している。*林
RIHANNA
『Music Of The Sun』 SRP/Def Jam(2005)
モニカのようにホイットニーの曲を歌ってデビューへのきっかけを掴んだ人は多く、リアーナもデフ・ジャムに渡したデモではホイットニー版の“For The Love Of You”を披露していたらしい。そういや「ボディガード」のリメイクで主演候補に挙がっているという彼女だが……先輩を参考にして、オトコ選びは慎重に! *出嶌
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