こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

TINCHY STRYDER 突如として全英チャートを席巻した謎の男……?

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年09月24日 19:00

ソース: 『bounce』 314号(2009/9/25)

文/出嶌 孝次


  タイオ・クルーズの美声をフィーチャーした“Take Me Back”が全英3位を記録したと思ったら、それに続く“Number 1”は堂々の首位をマーク。さらには次の“Never Leave You”もNo.1となって、早々にラップスターの座に昇り詰めたのがティンチー・ストライダーだ。彼の作風はUSのトランス・ラップ以上にド派手なトラックに、アーシーでロウなラップをしなやかに乗せていくというもの。また注目の新人が出てきたにゃ~と思っている人も多いかもしれないが、このティンチーは新人ではない。ストライダーマンの別名でも知られる彼は、すでにグライム界隈で確固たる支持を得てきた期待の星なのである。

 87年生まれの彼は、2000年代初頭からラフ・スクワッドというクルーで活動していた、UKガラージ~グライムの生え抜きである。一方ではティッチー・ストライダーの名でロール・ディープにも在籍していたそう。ガラージ~グライム愛好家の人は別掲した『Run The Road』などのコンピや数年前のミックスCDなどを聴き直せば、かなりの確率で彼のラフなラップに出会えるはずだ。

 2007年の初ソロ作『Star In The Hood』は不発に終わるも、翌年クレイグ・デヴィッドの“Where's Your Love”にフィーチャーされたことで一気に注目を集め、アイロニックやフランクミュージックとの共演を経てメジャー・デビュー。そして冒頭で触れたような成果に繋がったのだ。それらのヒットを網羅した新作『Catch 22』は全英2位まで上昇。ビートを作っているのがラピッドらラフ・スクワッドの面々だというのも微笑ましいし、ブリット・ホップの源泉がどこなのかを非常にわかりやすく示す例だとも思う。

インタビュー