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特集

厚みと華やぎを増す〈ブリット・ホップ〉

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年09月24日 19:00

ソース: 『bounce』 314号(2009/9/25)

文/出嶌 孝次

 UK産らしいセンスを持つヒップホップとなると、マッシヴ・アタックらが推進したトリップホップやコールドカットなどのブレイクビーツ作品にこそ正当性を見る人も多いだろう。が、現在のUK産ヒップホップの隆盛を考えれば、やはりソー・ソリッド・クルーの台頭に端を発するUKガラージのブームに行き当たる。USヒップホップを直球で模倣するのではなく、2ステップやドラムンベースといったクラブ・サウンドを経由したうえでMCに重点を置くようになったUKガラージの一部=MCガラージは、構造としては完全にヒップホップながらもベース・ミュージックとしての機能性を失わず、やがてグライムと呼ばれるようになっていった。グライムという言葉に抵抗を抱くラッパーは多いが、現在賑やかに活動している連中のスタートはそこにあるし、いまのUKヒップホップが少なからずこの〈ポスト・グライム〉的な風土の上に成り立っているのは間違いないと思う。

 なお、〈ブリット・ホップ〉という言葉は数年前にメディアが流行らせようとしたもので、これはもちろん90年代の英国音楽史を鮮やかに彩った〈ブリット・ポップ〉のモジリ(現在はGホップと呼ばれている)。実際、いまのUKヒップホップが持つ華やかさや多彩さは、ブリット・ポップが孕んだハイプと表裏一体な楽しさに通じると思う。ここから何人のブラーやオアシスが現れるのか、その行方を見守っていきたいものだ。


ソー・ソリッド・クルーの2001年作『They Don't Know』(So Solid Beats/Independiente)

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