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LONG REVIEW――立て続けに発表されたFOEの新作とSTONED GREEN APPLESとのスプリット盤!

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年09月09日 18:00

更新: 2009年09月09日 18:21

文/富田 明宏



FOE 『DO NOT KILL 'EM』avex trax

 木村カエラやChara、YUKI、GO!GO!7188らのプロデュース・ワークや、映画「デトロイト・メタル・シティ」の劇中歌などで、トップ・サウンド・クリエイターとしての存在感を強固にした會田茂一が、いまやメイン・プロジェクト的な位置付けで存続させているFOEを3年ぶりに稼働させ、フル・アルバム『DO NOT KILL 'EM』を完成させた。メンバーはベースに佐藤研二、ドラムにbloodthirsty butchersの小松正宏と、お馴染みのメンツ。オリジナルなオルタナ観を持つFOEならではのアレンジ力で、ハード・ロック/ヘヴィー・メタル、ガレージ・ロック、ディスコ、サイケなどを自由自在に調理。ソリッドかつパワフルな、猛者揃いのロック・トリオらしく爆音で聴きたくなる仕上がりに。しかし、すべての楽曲を3~4分程度のコンパクトな尺に仕上げ、かつポップなメロディーも欠かさずに盛り込まれており、実験的なサウンド・アプローチを随所で採用しつつ、キャッチーな魅力も決して忘れないのは流石である。これまでで、もっとも密度の濃い作品と言えるでは? 過去にはアメリカの〈SXSW〉への参加などでも話題を集めた彼らだけに、次のアクションがますます気になる逸品だ。



FOE × STONED GREEN APPLES 『THE DARK SIDE OF THE APPLE』avex trax

 ミステリアスな存在感で話題を集めたガールズ・ロック・デュオ、STONED GREEN APPLES(以下SGA)と、上述のFOEによるタワーレコード限定のスプリット盤。まるでブラック・サバスのようなヘヴィーでスロウなギターに、シンプルなビートとセクシーな歌声がオリジナルな個性を放つSGAの“Sugar-K”で幕を開けると、FOEはストーナー・ロックのごとくモクモクと砂煙を上げて爆走するダーティーなロックンロール“DO NOT KIL'EM”で豪快に返答。そしてSGAの“Broccoli Salad”をFOEがアシッド・エレクトロなアレンジでリミックスするなど、多彩な応酬が続く。ラストはFOEのダーク・サイケなインスト・ナンバー“THE DARK SIDE OF THE ROOM”で終幕。オルタナ・スピリット全開の一枚となっている。

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