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最新リマスターで登場するアルバム完全ガイド(2)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年09月09日 18:00

更新: 2009年09月09日 18:25

文/北爪啓之、柴田かずえ、白神篤史、出嶌孝次、山西絵美

★THE BEATLES『Beatles For Sale』EMI Music Japan(1964)

〈俺たちはアイドルじゃないぞ!〉と言わんばかりに、繊細なソングライティング力を発揮。ゴキゲンなロックンロールをベースにカントリーやトラッドへもオマージュを捧げた一枚だ。半分近くを占めるカヴァーには自分たちのルーツを大切に慈しむ真摯な態度が込められ、バンドの底知れない可能性をも垣間見せている。シンプルなサウンドに乗るジョンとポールの優しく力強い歌声も、心に染み入る魅力がたっぷり! *柴田

I AM SAM『Soundtrack』V2(2002)

ニック・ケイヴは伊達に、ブラック・クロウズは泥臭く、ヴァインズはエネルギッシュに、エイミー・マン夫婦は囁き合うように……と、それぞれが思い思いに演奏することで、ビートルズ・ソングの違った魅力を浮き彫りにするサントラ。泣けます。*山西

THE GOOD-BYE『4 SALE』ビクター(1985)

〈僕たちはアイドルじゃないぞ!〉と言ったのかどうか、個々の創作意欲が爆発した4作目。バッド・フィンガーを引用するなどのビートリーな遊びは、いまこそ楽しむべきもの。この後に白ジャケの『Album』を出す彼らは、『Revolution No.9』で解散する。*出嶌

★THE BEATLES『Help!』EMI Music Japan(1965)

痛快ドタバタ映画「4人はアイドル」のサントラとアルバム用に録られた曲で構成されていることもあり、ヴァラエティーに富んだ内容が耳を惹く。感情剥き出しの叫びから、サイケなスパイス、永遠のバラードまで次々に繰り出される名曲たちは聴き応え十分。この一枚にポップスの真髄が網羅されていると言っても過言ではない。フレッシュさを残しつつも、チャレンジ精神に溢れた個々の才能が燦然と輝いている。*柴田

 ※“Help”の動画視聴はこちらから!

 ※“You're Going To Lose That Girl”の動画視聴はこちらから!

SEAN LENNON『Friendly Fire』Capitol(2006)

多彩な要素を折衷した前作を経て、ジョンとヨーコの愛息がようやく父の書く曲の素晴らしさと向き合った(と思しき)一作。というのも、ここで聴けるメロディーはどれも耳に優しく、それはもうジョンが降りてきたかと思うほどだから。*山西

JELLYFISH『Bellybutton』Charisma(1990)

チープ・トリックやマシュー・スウィートがカヴァーに挑戦してたり、スミザリーンズなんてパロディー集団も存在するなど、パワー・ポップ界にはビートルズの子供がいっぱい! 特にポール直系のポップで切ないメロを書く彼らはその代表格だ。*山西

★THE BEATLES『Rubber Soul』EMI Music Japan(1965)

それまでの〈正統派ロックンロール・バンド〉というイメージからの脱却を見事に成功させ、多種多様なポップ・ミュージックと自分たちのサウンドとの融合を試みた、ミクスチャー・ロックの原点とも言える作品だ。ここでシタールを初めて導入したことをきっかけにジョージがインド音楽へのめり込んでいったのは有名な話で、今作こそがロック史におけるオリジナル・サイケデリック・アルバムと言える! *白神

OTIS REDDING『Dictionary Of Soul』Volt/Atlantic(1966)

ブリティッシュ・ビートとUSソウルの蜜月は多くの相互カヴァーを生んだが、別格の突進力を誇るのが本作所収の“Day Tripper”。〈Sgt. Pepper's〉にショックを受けたオーティスは、その自身版を作るという志半ばで急逝した。*出嶌

LEILA『Blood, Looms And Blooms』Warp(2008)

4人がいまのテクノロジーの下で揃ったら、過去を磨き上げたりしてるヒマなどなかったんじゃないか……と、本作でルカが歌う“Norwegian Wood”を聴いて思う。ビョークのバックも務めた才女、レイラの描いた森は鬱蒼と蠢いています。*出嶌

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