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特集

MEMORY OF FUJI ROCK 09(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年09月02日 19:00

更新: 2009年09月02日 19:38

ソース: 『bounce』 313号(2009/8/25)

文/bounce編集部

SEUN KUTI & EGYPT 80


  ハッキリ言って今回の〈フジロック〉は彼らを観に行ったようなもんである。個人的に、かの地でアフロビートを爆音で浴びることは長年の夢だったのだ。しかもシェウン・クティといえば、アフロビートの神様=フェラ・クティの息子にして、フェラの後継者のなかでも最高の実力者と評される男。オマケにバック・バンドは晩年のフェラを支えたエジプト80だ。これ以上ない組み合わせじゃないか。さあ! 〈ORANGE COURT〉最終日のトリ。エジプト80はサウンド・チェックから早くも観客を揺らした後、本番へと雪崩込む。ポリリズミックなパーカッションにうねりまくるベース、ファンキーなカッティング・ギター、灼熱のホーンが次々に重なって怒濤の横揺れグルーヴが形成されていき、延々15分以上もかけて観客を十分に熱すると、ついに主役シェウンが登場! あとはもう彼の独壇場だった。レベル・ミュージックとしての真摯なメッセージを託した力強いヴォーカルに、父上の生き写しの如き派手なアクション、そして歌の合間のサックス・プレイ――踊り狂う観客をさらに扇動するかのような彼のパフォーマンスは、若くしてすでにカリスマ性十分。デビュー作『Many Things』の楽曲を中心に、父上の名曲“Army Arrangement”のカヴァーも交え、〈地上最強のダンス・ミュージック〉の威力を知らしめた熱狂の夕べであった。*田中幹也

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