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INTERVIEW 第1回――歌いたいけど、歌いたい内容が見事になかった20周年記念アルバム(3)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年08月26日 18:00

更新: 2009年08月26日 18:22

文/佐野郷子

何歌えっていうの、20周年で(笑)

――去年は8年ぶりにアルバム2作とツアーで、電気グルーヴの底力を久々に世に知らしめた感がありましたしね。

石野「あの後だから何も残ってない」

「さんざん遊んでお客さんが帰る頃に、〈あのー、ちょっと待ってください!〉」

石野「〈この後、お誕生日会があるんですぅ〉(笑)」

「姑息だよね」

石野「でも、去年が20周年と重ならなくて良かったと思うよ。重なってたら意味が変わってたじゃん。久しぶりに復活したという意味が。まあ、あと2倍騒げる、2倍飲めるというのはあるけど(笑)」

「そういうことでしょ。2倍飲めるのだけは確か(笑)」

――“電気グルーヴ20周年のうた”という、そのままの歌もあり(笑)。

石野「今年しか歌えない、あと4か月しか寿命ない歌ってのも珍しいよね(笑)。これはファンクラブ会員用に元々作ってたのを発展させた曲」

「歌詞に〈20周年〉と出てくるけど、内容は一切関係ないし。何歌えっていうの、20周年で(笑)」

石野「歌ものにしようということで、いつもとは作り方を変えてポータサウンドでメロディーを弾いてデタラメに歌いながら作っていったんだよ。そしたら久しぶりなんで意外とおもしろくなってきてさ。最初はミニ・アルバムという話だったんだけど、曲が思ったよりすんなり出来たんでアルバムになった」

「いまは4曲でもミニ・アルバムとか12曲収録でシングルとか曖昧だよね」

石野「『20』もトータル41分ちょいとアルバムとしては短めなんだけど、それで十分でしょ」

――AOR歌謡みたいな“エンジのソファー”には驚きました。

石野「仮タイトルは〈TOBYの浮き輪〉だったんだよ(笑)。たまたまラジオで寺尾聰の“ルビーの指輪”を聴いたら、昔聴いてた印象と違って妙に記憶に残ったんだ。ただもう1回聴いて完コピになっちゃうのも困るから、曲の記憶が頭からこぼれ落ちないようにそーっとスタジオに持っていって作った(笑)」

――この手の80年代初期に流行ったAORを電気グルーヴがやる不気味さがいいですね。

石野「歌謡曲にAORが混じってるようなジャンルって完全に絶滅したじゃん。“ルビーの指輪”が流行ってたのって小6くらいだったかな。毎週〈ザ・ベストテン〉で寺尾聰が1位で、エンジのソファに座ってたのを憶えてたからこのタイトルに」

「うちらがAORを歌えるようないい大人になったからってのもあるんじゃない(笑)?」

石野「久々に聴いたら、リズムがグラウンド・ビート――それもまた中途半端に古いけどさ(笑)――に近い感じもあって、それが逆におもしろいというか奇異に感じたのがきっかけっちゃあきっかけ」

――卓球さんは最近は熱心なラジオ・リスナーですもんね。

石野「そうそう。相変わらず1日中ラジオ聴いてるからね。思い出した! “ルビーの指輪”は、FM世田谷で聴いたんだ。夜中に歌謡曲のコンピレーションをそのまま流してるような番組でさ。ネットで番組表調べたら、〈音楽〉って書いてあるだけの(笑)」

――“ルビーの指輪”を知らなくてもこの曲は新鮮かもしれない。

石野「でしょ? だからって今後こっち方面にいくとかはまったくないけど(笑)」

「若い子はさっぱりわかんないかもしれない。“ルビーの指輪”聴いて、“エンジのソファー”みたいって思うか? 思わなねぇよな(笑)。寺尾聰が歌手だったってのも知らないだろうし」

石野「ましてや宇野重吉の息子だってことも知らないか」

「そこまで知らなくてもいいよ(笑)」

→→→8月19日更新の第2回へ続きます!!

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