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INTERVIEW 第1回――歌いたいけど、歌いたい内容が見事になかった20周年記念アルバム

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年08月26日 18:00

更新: 2009年08月26日 18:22

文/佐野郷子

20周年って忘れてたんだけど、何かやるって言うから

  昨年は、8年ぶりに『J-POP』『YELLOW』といった2枚のアルバムを発表。その後のツアー〈叫び始まり 爆発終わり〉も成功を収め、その唯一無二な圧倒的存在感を新旧のファンに証明した電気グルーヴ。20周年イヤーとなる今年もシングル“The Words”、ライヴDVD「レオナルド犬プリオ」とリリースが続き、7月11日には一夜限りの20周年記念ライヴ〈俺っちのイニシエーション〉を開催。初期のメンバーであるCMJKや、電気の2人とは縁の深い篠原ともえと天久聖一をゲストに迎え、電気史上で最長の4時間にも及ぶステージを敢行。まさにプレミアムなライヴに相応しいコア層歓喜の選曲と演出、往時の勢いそのままのMCをお腹一杯味わうことができた夜だった。

 そして、このたび完成した結成20周年記念アルバム『20』は、昨年の2作とは音楽性も趣きも異なる歌モノ仕様の全9曲。奇々怪々にしてナンセンスな歌と、ニューウェイヴや80年代歌謡風などのトラックが世にも奇妙な景色を描き出す。また、他の誰にも真似ができない特異な手腕とセンスあってこその20年だと納得できる内容でもある。

 今回は、そんなアニヴァーサリーな2人――石野卓球とピエール瀧による息の合った掛け合いのようなトークを、脱線・ムダ話も込みでお楽しみいただきたい。

――結成20周年おめでとうございます。7月11日のLIQUIDROOMでの結成20周年記念ライヴ〈俺っちのイニシエーション〉は電気史上で最長のすごいライヴでしたね。

石野「失礼しました。〈すごい〉って言うと聞こえはいいけど、ヒドいライヴで(笑)」

「4時間はいくらなんでもやりすぎ。しゃべりすぎ」

石野「悪いんだけど、手を洗ってきていい? (中座し、戻ってくるなり)この前DJした後、レコードバッグにヘッドフォン入れっぱなしにしてたらカビちゃてさ。気がつかないままレコード屋で試聴してて、誰か臭いヤツいるなーと思ってたら、俺じゃん!って。カビるですよー、この季節」

「ジョン・カビル(笑)?」

石野「レコードもカビでトビル(笑)」

――結成20周年記念アルバムでタイトルが『20』とは、珍しく直球できましたね。

石野「アルバム・タイトルはいつの間にか決まってたんだよ。スタッフが決めて、うちらも何も言わないからそのままになったってだけで。普通はそんなことはないんだけどね」

「20周年ったって、ま、別にそれでいいんじゃなねぇ?くらいの適当さ」

石野「〈言いましたよ〉って言われても覚えてないくらいのいい加減さ。20周年って忘れてたんだけど、何かやるって言うから。ま、うちらもそういうの嫌いじゃないし(笑)」

「去年が20周年ってことにしときゃ良かった。アルバム2枚も出したんだから」

――昨年は4月に『J-POP』、10月に『YELLOW』をリリースして、また今回の新作といつになく早いペースですね。

石野「デビュー当時に近いね。デビューした頃はやたらリリースが多かったじゃん。いまは亡きレーザー・ディスクを含めて(笑)」

「去年の年末くらいにいきなりスタッフに〈20周年に何やります?〉って言われたんだよ」

石野「アルバム2枚も出して、8年ぶりのツアーも終わって、やっとゴールインしたかと思ったら、(スタッフは)開口一番〈次のマラソンいつ出ます?〉みたいな(笑)」

「〈何やります?〉って言われても、うちらアルバムかライヴくらいしかできることないじゃん。じゃあ記念の企画ものアルバムでも作って出しゃいいんじゃないの、って今年に入って作りはじめた」

石野「でも、20周年記念でいちばん最初に作ったのは、アルバムじゃなくて陶芸(笑)」

――なんですか、それ?

石野「シングルの“The Words”とライヴDVD〈レオナルド犬プリオ〉をダブル購入した人に結成20周年記念グッズをプレゼントするという企画があってさ。銀賞がビッグタオルで、金賞5名が電気グルーヴの手作りによる特製グッズだったんだよ。それで2人で見よう見まねでロクロまわして湯飲みとか作って」

「それが初めての20周年記念作品(笑)」

石野「陶芸やった帰りに火事の現場に遭遇するという、まさに俺らの20周年に相応しい事件もあり」

「車を乗り捨てて火事見物(笑)」

▼活動再開後にリリースされた電気グルーヴの作品

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