INTERVIEW 第2回――いろんな意味で20周年っぽかった記念ライヴ〈俺っちのイニシエーション〉(2)
お客さんが目に見えてグッタリしてた
――ただ、仮想敵があったほうが意志の強いものを作ろうというフックは生まれるんじゃないですか?
石野「まあね。いまはうちらの中高時代とヒネクレ方も違うんだろうね」
瀧「ただ、そこはシンドイっちゃシンドイ。周りと話が全然通じないわけだからさ」
石野「例外はマイケル・ジャクソンだよ」
瀧「マイケルは完成度高かったね、最終的に」
――先日のライヴでも“DISCO UNION”からマイケル・ジャクソンの“Smooth Criminal”の流れは好評でした。
石野「あそこがあの日のライヴのピークだったんじゃないの? TVでよく流れてたから、あの曲のベース・ライン、カッコイイなと思い出して。マイケルはダンス・ミュージックとしての完成度も高かった」
――『20』のDVDも電気らしいおもしろさが満載で観応えがありました。
石野「『20』で唯一20周年っぽいのはミュージック・クリップを昔から付き合いのある天久にお願いしたことくらい。あと、うちらと縁がある宇川直宏(“タランチュラ”)と、瀧の“ピエール瀧の体操42歳”」
――シリーズ第3弾になるんですね。〈体操30歳〉〈体操36歳〉に続いての。
瀧「手間暇かかってるよー」
石野「瀧のクリップは交通費がいちばんかかってる(笑)」
『DRILL KING ANTHOLOGY』に登場した3人組ユニット、子門'Z(1994年)
――天久さんも20周年ライヴのステージに登場しましたね。バニーガールに戦国武将カブトの衣装で“モテたくて…”を熱唱。
石野「最近の電気しか知らない人は何がなんだかわかんない」
――『DRILL KING ANTHOLOGY』(94年)あたりが好きなファンにはあれはおいしかったですよ。
瀧「おいしいって言うかね、あれ(笑)?」
石野「本当は2時間ちょいで終わるつもりだったんだよ。ただリハーサルを全部通してなかったから時間が読めなくてさ」
瀧「4時間のうち半分はしゃべってたしね。最後のほうはお客さんも目に見えてグッタリしてるんだもん」
石野「アンコールは苦行以外の何ものでもなかっただろうね。でも結成当時はああいうライヴはけっこうあった気がする。1時間の持ち時間で2、3曲しかやんないとかよくあった」
瀧「そういう意味では20周年っぽかったとは言える」
――CMJKをゲストに呼んで、“Everybody sampling(マイアミ天国)”を歌った場面は隔世の感がありましたよ。
石野「まりん(砂原良徳)は去年よく電気のライヴに出てたから、もうメンバーで呼べるのJKしかいないじゃん。同じステージに立ったの18年ぶり!」
瀧「ゲストは遊びで呼んで怒らないヤツだけにした」
石野「今年20周年って多いもんね。ドリカム、スカパラ、真心ブラザース……」
▼今年それぞれの20周年を迎えたアーティストの作品