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INTERVIEW 第2回――いろんな意味で20周年っぽかった記念ライヴ〈俺っちのイニシエーション〉

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年08月26日 18:00

更新: 2009年08月26日 18:22

文/佐野郷子

それが最初に受けた音楽の衝撃だったからしょうがない

→→→第1回(歌いたいけど、歌いたい内容が見事になかった20周年記念アルバム)の続きとなるトーク中盤。ニューウェイヴの話題から、なぜかヒューイ・ルイスがヤリ玉に挙げられることに……。

――全体に80'sやニューウェイヴの妖気がそこはかとなく漂っているように思えるのは世代と育ちなんですかね?

石野「ニューウェイヴの印象があるとしたら、この拙い感じとキッチュな感じでしょ? うちらはパンクよりニューウェイヴのほうから入った口だから、パンクの誰でもできるDIY精神みたいなのもニューウェイヴを経由して影響受けてるから。そこらへんが根っこにあるのはやっぱり世代だろうね」

――最近また改めて聴いてみたりします?

石野「3年くらい前はあったかな。ちょっと流行ったじゃん。久しく聴いてなかったらいまの耳に新鮮に響いたりもしたけど、そんなに熱心に聴き直してないね。そもそもニューウェイヴっていう括りはあったけど、あれって音楽のスタイルではないじゃん?」

――確かに。

石野「当時はそれこそポップ・グループからニュー・オーダー、スロッビング・グリッスル、キャバレー・ヴォルテールまでいっしょくたにニューウェイヴって括られてたからね。いまで言うヴィジュアル系、いやエレクトロみたいな括りなんじゃない? シンセが入ってないピッグバッグとかギャング・オブ・フォーまで、とにかくそれまでになかったタイプの音楽はみんなニューウェイヴってことになってたんだよ。確かにニューウェイヴ特有のチープ感って、うちらみたいな薄っぺらい人間には合ってるのかもしれないけど(笑)」

「それをオッサンが頼りなくやってる感じ(笑)?」

――それがなにやら世相にも合ってるのかもしれない。

石野「使い捨ての感じが世相を反映(笑)?」

――いやいや、音がチープというわけじゃないけど。ハイエンドなキッチュ感があるというか……。

石野「同じ拙い工作でも、〈とらや〉の包装紙と〈ゴディバ〉の箱で作ってるような違い(笑)」

「どの道、下手物であることに変わりはないんだけど」

――ただ、その下手物魂をいまなお宿しているのは貴重ですよ。

石野「それが最初に受けた音楽の衝撃だったからしょうがないよね。80年代の王道――“We Are The World”とか〈ベストヒットUSA〉でかかるような曲――が嫌いでこういう風になったんだからさ。ジャーニー、TOTO、REOスピードワゴン、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース……とにかくすごい嫌だった。いま聴くとちょっといい曲もあるんだけどさ(笑)。そういうのを全部好きなのが、うちらのマネージャーのミッチー(笑)」

「ミッチーはコカコーラが似合うような音楽なら何でも好きなんだよ(笑)」

――とはいえ、クラスでは「ベストヒットUSA」系が多数派ですよね。

石野「そりゃそうだよ。音楽の情報もアメリカ中心だったから、イギリスやヨーロッパの情報は自主的に頑張らないと入ってこないわけでさ。例えて言うなら、隣町まで自転車で行けば、青林堂の〈ガロ〉が手に入って、小学館のコミックスにはない衝撃のマンガが載ってる、みたいなもんだよ。山野一とか読んでイヤ~な気持ちになったりしながらさ」

「そこに行けばそこにはまた別の世界があると知ることになるわけでね」

石野「いまはどこに住んでてもネットであらゆる情報が手に入るから、そういう格差はなくなったね」

「中高校時代がその後に及ぼす影響デカイから」

石野「昔はヒューイ・ルイスが好きなヤツはうちらが好きな類のニューウェイヴはまるっきり知らなかったけど、いまはヒューイ・ルイスみたいなチャートの王道が好きなヤツもアンダーグラウンドのことに詳しかったりするからね」

「検索しちゃえばいいんだから簡単だよ。ヒューイ・ルイスだってすぐ試聴できちゃうし」

石野「ヒューイ・ルイスがこんなにヤリ玉に挙げられる日もないな(笑)」

▼80's当時、ニューウェイヴに括られていたアーティストの作品

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