INTERVIEW 第3回――20年目の格言〈もうろくは武器なり〉〈屁は時に雄弁なり〉(2)
多くのことを語るより一発の屁!
――活動再開は2004年の〈WIRE04〉と〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2004 in EZO〉のライヴになりますが。
石野「解散の理由を探すために(笑)」
瀧「破滅に向かって再スタート(笑)」
石野「冗談抜きで、あの時解散しなかったのは、〈このままで終われねぇ!〉というより、解散の理由がないのもカッコ悪いっていうのはあったかな。もう少しやれば解散の理由も出てくるんじゃないかと。なんて言うの、ぼちぼち帰りたいなと思っているのに、誰も締めない飲み会みたいなもんで(笑)」
瀧「だったら、もうちょっと本腰入れて飲みなおすか、と」
石野「誰かが吐いてお開きになるまで、あるいは閉店で追い出されるまで(笑)」
――再始動以降は、肩の力が抜けてむしろ以前より何をやるにしろ楽しそうな様子が伝わってきましたけどね。
石野「もうここまでくると、うちらも大人ですから(笑)」
瀧「まあ見事に泣かず飛ばずですが」
石野「泣く気も飛ぶ気もないペンギンって感じ(笑)」
――昔はずいぶんあちこちで衝突したり、反抗してましたね。
瀧「昔は人の言うこときくのが嫌で、言うこときいたら負けだって思いこんでたからね」
石野「一回〈嫌だ!〉って言っちゃったもんだから、引っ込みつかなくなっちゃったりな。子どもだった、20代の」
瀧「最近はそういうことあっても、〈言ったっけ、そんなこと?〉だって(笑)」
石野「だってホントに忘れてんだよ。〈もうろくは武器なり〉〈屁は時に雄弁なり〉(笑)。多くのことを語るより一発の屁!」
瀧「ああ、俺のこと(笑)?」
石野「オマエのこと屁男爵って呼んでやる!」
瀧「男爵とはまた位が高いね(笑)」
――でも、『20』のようなアルバムを作れるのは電気グルーヴにしかできない離れ業ですよ。
瀧「できないんじゃなくて、こんなのはうちらしかやらないんだよ」
――そういえば、この前のライヴでステージからフロアに配っていたCDの中身って何だったんですか?
石野「100枚限定のプレミアムCDをゲットして家帰って聴いたら、ガックリ、ドヨ~ンっていう内容(笑)」
瀧「下敷き(〈電人ザボーガー〉のキャラクターに扮した石野卓球、ピエール瀧のアーティスト写真柄)もお土産に付けたからよしとしてもらおう。というか、ホントはうちらが何かもらう立場なんじゃん?」
石野「学校の開校記念日とか休みになるのに、こっちは働かされてるんだからな」
――20周年の感慨なんて訊くだけ野暮ですが……。
石野「ないでしょ。〈瀧、俺たちも20年だな〉ってしみじみ酒を酌み交わすわけもないし」
――しかし、なんのかんの言いながらこの2年はよく働いてますよね。
石野「そこはまりんといっしょにしてもらっちゃ困る(笑)」