11人も集まれば、ラヴァーズ以外にもアンテナが張られているわけで……。BAGDADメンバーの多彩な外仕事の一部を紹介!
BAGDAD CAFE THE trench town(以下、BAGDAD)のルーツを辿ってみると、芸術/音楽/カフェをテーマにした人気イヴェント〈Love Sofa(現在は、大阪は鰻谷のsunsuiで開催)に行き当たります。イヴェント・コンピ『Love sofa』(2003年)には、単独音源リリース前のBAGDADやcutman-booche、韻シストなど、大阪の濃ゆいアーティストたちがジャンルレスに参加していて、BAGDADはこの頃からレゲエに凝り固まらず〈遊び心〉と〈歌心〉がある音楽を常に追い求めていたのだということが窺えます。
また、BAGDADの鍵盤弾き×2=岩井ロングセラーとマイケル☆パンチほか、周辺のメンバーで構成されたラテン・ジャズ風のポップスを聴かせるバンド、Associated Social Piano(A.S.P.)が単独音源をリリースしたのも2003年。そのA.S.P.やBAGDAD、cutman-boocheのなどのメンバーによって同時期に結成されたBOWLING No.9もカラフルな〈部屋聴き〉のラヴァーズを模索するなど、バンドの可能性を探求するかのような活動を展開していきます。
その後、2007年の『DANCEHALL ALBUM MEETS THE REGGAE~PASSING POINT~』における RYO the SKYWALKERらとの共作/共演をはじめ、近年ではAilie『Roots』(2009年)にコーラス隊が、TAK-Z『TEN GALLON』(2009年)にホーン隊が参加するなど、積極的にダンスホール・シーンとリンクする動きが。一方、ブルワッキー(ワッキーズ)のミキサー捌きに衝撃を受けたRAITAは、昨年、近未来的なダンス・トラックが新鮮なソロ作を発表。各方面で絶賛され、BES『Come inna de DANCEHALL』(2008年)やET-KING『10 -ten-』(2009年)でのリミックス・ワークに結実するなど、その活動の幅は広がり続け、メンバーそれぞれがレゲエ界になくてはならない存在になっているのです。