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BAGDAD CAFE THE trench town

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年07月15日 18:00

文/松永 尚久

躍動するグルーヴと伸びやかな歌声――生きる悦びに満ちた〈めっちゃエエ〉レゲエが夏を運んできたよ!

  ナニワのソウル・ロッカーズとして、これまで多数の人々を恍惚と興奮の空間へ導いてきた11人組、BAGDAD CAFE THE trench town。昨年はライヴやソロ活動に専念していた彼らが、6枚目となるアルバム『We're Living』を完成させた。今作は地元・大阪にプライヴェート・スタジオ=BAGDAD STUDIOを設立し、初のセルフ・プロデュースで制作された一枚だ。

 「これまでは私とRAITAで作ったデモを元に、メンバーが肉付けをしていくというやり方だったんだけど、それだと私の描いていたイメージと実際の音との間にブレが生じることもあった。でも、今回は自分たちのスタジオが完成したおかげで、最初の段階からバンドで音作りができて、ブレがなくなったんですよね。結果、思い切りのいい、めっちゃエエもんが完成したなって思います」(mai、ヴォーカル)。

 「思ったアイデアをすぐにバンドで表現できる環境は最高ですよね。そういう環境だからこそ、自分たちらしいサウンド・プロダクションができると信じて、今回はセルフ・プロデュースをすることにしたんです」(RAITA、ギター)。

  メンバーの他に、エンジニアとしてNYダブ界の大物であるロイド“ブルワッキー”バーンズ、拳POWAのKon“MPC”Ken、アルケミーの北畑“COBRA”俊明も参加。ラヴァーズやルーツ・ロック・レゲエといったバンドの真骨頂といえるスタイルの他にも、ホットなダンスホール、浮遊感のあるダブといったトラックも披露し、飽きさせない内容となっている。

 「ダンスホールはこれくらいの割合でやろう、とか考えて作ったわけではなくて。単純に自分たちがカッコイイと思えるものを追求した結果、いろんな音が生まれたというか」(mai)。

 「自分たちのなかでは、ルーツだとかダンスホールといった音楽の境界線みたいなものはないんですよね。メンバー全員がヤバい!と思ったものを追求しているだけであって」(RAITA)。

 またリリックに関しても、壮大な愛を伝える“JOYFULLY”を筆頭に、男子にダメ出しをする“Hey My Bad Boy”など多様なトピックを取り上げつつも、どれも温かみ溢れるものになっていて心を潤してくれる。

 「ぜひドライヴ中とかに、大きい音で聴いてほしいですね」(mai)。

 「これはスルメみたいに噛めば噛むほど味わいが出る作品だと思う。そうなるように丹精込めて作ったんで。とにかく多くの人に好きになってもらいたいですね」(RAITA)。

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