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渡辺大知が所属する黒猫チェルシーってどんなバンド!?

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年07月08日 18:00

文/土田 真弓


(C)2009色即ぜねれいしょんズ

  日本の高校生に扮したイギー・ポップ!?……というのは大袈裟かもしれないが、上半身裸の痩身に学ランを引っ掛け、ひん剥いた目をギョロギョロと動かしながら舌をなめずり、身をくねらせ、ダミ声で瘴気を撒き散らす渡辺大知のヴォーカリゼーションはとにかく鮮烈だ。加えて野性味たっぷりに牙を剥くギターや、恐ろしく低位置に重心を構えたリズム隊と、シンプルなサウンドを支えるプレイヤー陣のスキルもかなり高い。そんな4人組が、黒猫チェルシー。メンバー全員が今年3月に高校を卒業したばかりという神戸発のロック・バンドである。

 この4月、東京に活動拠点を移すとほぼ同時にリリースされた彼らのファースト・ミニ・アルバム『黒猫チェルシー』は、ロックが不良のものだった時代の危険な匂いが充満する、過去と現在を力ずくで結び付けるパワーを備えたシロモノだ。レッド・ツェッペリン、ストゥージズ、初期のローリング・ストーンズ、村八分、INU、スターリンなどを彷彿とさせる70~80年代のパンク、ガレージ、ハード・ロックを暴力的にドライヴさせたスピード感溢れるサウンドには、ハコで言えば高円寺U.F.O. CLUBが似合いそうなドス黒いアングラ感が満載。かつ、90年代末~2000年代初頭のゆらゆら帝国やDMBQなどにも通じる纏わり付くようなサイケ感とシュールな詞世界も擁しており、10代にしてすでに身に付けているダーティーな佇まいには、末恐ろしいものがある。

 とはいえ、衝動を素直に音に転写するという無邪気さゆえに、とっつきにくさは皆無。新世代なら毛皮のマリーズあたりのファンにはドンピシャだろうし、猥雑なサイケ感をトピックとするならFAR FRANCEやマヒルノ(ただし、この2バンドは変拍子使いでより混沌が際立つサウンドだが)、また同年代で言えばストーンズ愛炸裂の初作を発表したばかりの高校生バンド、OKAMOTO'Sなどにも共通項を見出せそうだ。時代時代のレジェンドの面影を漂わせつつ、失われたロックの凶暴性をいまのものとして掻き鳴らす黒猫チェルシー。現代のカリスマになれるか、要注目である。

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