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今年の〈フジロック〉〈サマソニ〉は何がおもしろい?座談会

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年07月01日 18:00

ソース: 『bounce』 311号(2009/6/25)

文/bounce編集部

※座談/加藤直子、柴田かずえ、ヤング係長

加藤「〈フジロック〉〈サマソニ〉共に出演アーティストが出揃いつつあるということで、今年の傾向と対策をなんやかんや話したいなと思っているのですが、ざっくりとラインナップを見ていかがでしょうか?」

ヤング「〈フジロック〉はヘッドライナーがオアシス、フランツ・フェルディナンド、ウィーザー……おっさんばっかりだね(笑)。まあおっさんでもいいんだけど」

加藤「まあここ数年キュアーとかマイ・ブラディ・ヴァレンタインとか日本で観られること自体がレアなバンドが目を引きましたからね、しょうがない(笑)」

柴田「でも〈フジロック〉は小ネタが満載だよね。個人的なハイライトでいうと、フアナ・モリーナとかアニマル・コレクティヴ。これを山で聴いたら異空間に連れてかれそう! シチュエーションにかなりマッチしてる」

加藤「このアーティストは〈フジロック〉で観たい!っていうのは結構ありますよね。彼らはその典型みたいな」

柴田「それがこのフェスの特権というか、他が及ばないところかもしれない」

ヤング「バッド・ブレインズは去年来日キャンセルしたし、待望じゃない?」

加藤「2日目の〈WHITE STAGE〉は危険すぎる。メルヴィンズ、バッド・ブレインズ、パブリック・エナミーなんて流れはなかなかお目にかかれませんよ!」

ヤング「もう観れなさそうな組み合わせだよね(笑)」

柴田「サニーデイ・サービスは今年も活動するのね。日にちは違うけどトラッシュキャン・シナトラズと共演!とか……あったらいいな」

ヤング「2日連続出演のシェウン・クティもなかなか観る機会はないんじゃない? 時間的には昼のシェウンと夜のシェウンが観られる(笑)。本場のアフロビートは昼と夜とで何かが違うかも!」

加藤「昨年でいうロドリーゴ・イ・ガブリエーラみたいな、ちょこちょこいろんなステージでやるアーティストがいますよね。レーヴェンっていうスウェーデンのジプシー・パンク・バンドもそうなんですが、この人たちもシェウン同様だいぶ楽しい思いをさせてくれそう。話題になるはず」

柴田「いま名前の挙がったフアナもシェウンもレーヴェンもそうだけど、最近気になるのが〈ORANGE COURT〉の充実ぶり。知らないアーティストが多いかもしれないけど、がんばって山を登って行くと凄いものが待ち受けてる!っていうのがある」

ヤング「確かに。初日のゴング~システム7なんてスティーヴ・ヒレッジのダブルヘッダーを観たら、宇宙に行きっぱなしだろうし(笑)」

柴田「あとは清志郎さんとの絡みもあったブッカーTだよね。清志郎さんが飛び入りするかも!と思ってただけに……」

ヤング「今年はブッカーTも出演する清志郎のトリビュート企画があるね」

柴田「そんななか、フォール・アウト・ボーイなんてキャッチー枠が微妙に用意されてる(笑)」

加藤「ピートが完全にアウェイですね(笑)。いつもの黄色い歓声がない状況のなか、どんなステージになるかはある意味観ものですよ」

ヤング「もっとそういうミーハー枠があってもいい気はするけど。でも夜は旬なメンツが揃ってるね。特に〈RED MARQUEE〉枠」

柴田「1日目がイイよね。ギャング・ギャング・ダンスとかディプロとか、いまいちばん熱いところだよ」

加藤「今年はやっぱりブラカ・ソム・システマが顔になると思いますよ」

ヤング「2日目のエレクトロ・チームもいいんじゃない? 日本代表の80kidzはもちろんだけど、シューズとかブラディ・ビートルーツは青田買い的にチェックしたほうが良さそう」

加藤「てな感じで決して派手ではないですが素晴らしいポイントを突いてくる〈フジロック〉に対して、キャッチー度が凄まじい〈サマソニ〉。今年は10周年で3日間開催です。今回もステージごとにカラーがはっきり分かれてますね」

ヤング「やっぱり〈サマソニ〉はスペシャルズでしょう。ていうかこの2日目の〈MOUNTAIN STAGE〉はナニ(笑)!? エルヴィス・コステロとかジョーン・ジェットとか」

柴田「〈サマソニ〉には少なめのオールド・サイド(笑)。〈DANCE STAGE〉にはトム・トム・クラブもいるし。あとヴァセリンズとかフレーミング・リップスがいる3日目の〈SONIC STAGE〉はアラサー向け?」

加藤「1日目のエイフェックス・ツインとかモグワイ、カイトのアンビエント系チームは気持ち良くて寝てしまいそうですね。逆に3日目は〈LOUD PARK〉的なメタル系軍団もあるんですね」

柴田「でもやっぱり今回観るべきは日本でのラスト・ライヴになるかもしれないナイン・インチ・ネイルズでしょう。トレント様、最後です」

ヤング「ホラーズもシューゲイザー・チックな新作が良かったよね」

柴田「前に出た時のホラーズはかなりおもしろかったよ。作風も若干変わったからライヴも違う感じになるのかな?」

加藤「コラボ・アルバム的な内容だったN.A.S.A.はどういうステージになるんですかね?」

柴田「宇宙船のセットを組んだり、コスチュームもいろいろ用意してショウっぽくするらしい。楽しそう!」

ヤング「ハイライトとしては3日目のヘッドライナーのビヨンセかな。ニーヨまでいる」

柴田「ビヨはロック・フェス初登場だね」

ヤング「この日の〈MARINE STAGE〉はユニコーンとかエレカシもいるから、フェスとしては敷居が低いし豪華だし行きやすいんじゃない?」

柴田「だったらぜひ同じステージに出るミュートマスも観てほしい! 良いバンドなんだよな~」

ヤング「フェス初心者も足を運びやすいラインナップで、なおかつ音楽好きの欲求にも応えてくれる〈サマソニ〉と、決して敷居は低くないけど行ったら行ったで物凄くありがたい何かを目撃することができるかもしれない〈フジロック〉といった感じかね」

柴田「毎年そうかもしれないけど(笑)。何はともあれ〈サマソニ〉はチャレンジングというか、先を見据えて開拓していこうとする志が窺えるよね。一方の〈フジロック〉には、あそこならではの魔法があることを知っているから、やはり行ってしまうわけです」

加藤「〈サマソニ〉に出るB'zのことなど言いたいことは山ほどありますが、とにかくいずれも行って損はしません!ってことだけは断言したいと思います。今年も楽しみましょう!」

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