耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
9 Mr. Children
『BOLERO』 トイズファクトリー(1997)
桜井和寿のヴォーカルは時折異様にコステロっぽく聴こえることがあるが、その最たる例は声質や歌い方どころかサウンドやPVに至るまでソックリすぎる“シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~”。清々しいほどの確信犯ぶりだが、これを機にコステロに目覚めたJ-Popファンが多く存在する事実は大きい。
(北爪)
10 THE FRATELLIS
『Costello Music』 Drop The Gun/Universal(2006)
見てみ、この直球タイトル! ルックスはモロに草食系だし、楽曲も軽快極まりないけど、ライヴとなるとゴリッゴリのラウドなサウンドを奏でる彼ら。スタイリッシュでありながら、どこかイナタく、人と変わったことをやってやろうというパンクなアティテュードは忘れない。頼もしいコステロ・チルドレンです。
(柴田)
11 TRICKY
『Pre-Millennium Tension』 4th & Broadway(1996)
どこで拾ったのか、コステロの弾くヴァイオリンを本作収録の“Piano”にて引用しているらしいトリッキー。なるほど、“Distorted Angel”をリミックスしたのはそのお礼だったのね! さらに交流は続き、今度はコステロが“Christiansands”をリミックス。原曲の陰鬱ムードをブチ壊した健康的なアレンジが笑えます!
(山西)
12 MOOMIN
『Adapt』 ユニバーサル(2006)
スピナーズ“Ghetto Child”を下敷きにした“Alison”をカヴァー。コステロの書くメロディーは総じてソウル・フィーリングを纏っているわけで、それをラヴァーズ・ロック仕立てにするあたりがセンス良すぎ! EBTGやリンダ・ロンシュタットらの数ある“Alison”のなかでもピカイチの出来でしょう。
(山西)
13 NO DOUBT
『Everything In Time』 Interscope
コステロと元妻ケイトが映画版〈ラグラッツ〉のサントラ用に書いたスロウ“I Throw My Toys Around”(98年)を収録。プロデュースでも参加したコステロは、子供に語りかけるようにキュートな声を聴かせるグウェンを後ろから熱血歌唱でサポートし、結果デュエットのような内容に。ちょっとでしゃばっちゃいました。
(山西)
14 JACK PENATE
『Matinee』 XL(2007)
〈時代遅れの音〉を掘り返してイマっぽく聴かせるテムズ・ビート勢の多くが、コステロからの影響を公言していますが、なかでも『My Aim Is True』ばりのポージングも決まったこちらはモロに直系。負け犬気質の歌詞といい、がむしゃらゆえにちょっとすっとぼけた感じの歌声といい、な~んか他人には思えなくって。
(山西)
15 ELVIS PRESLEY
『Elvis: Best Hits In Japan』 BMG JAPAN
日本でもっとも一般的なコステロの曲はですね、ウチの小倉の「とくダネ!」で使ってたやつ、マーサ? そりゃオレの前の奥さんだって。ふん、“Veronica”ね。小倉はエルヴィスのCDの選曲もやってる? コステロもエルヴィスから名前を取ったって? じゃあ、メガネはオレの真似か?なんてな。ウッシッシ(巨泉調)。
(出嶌)
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