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ACCIDENTS WILL HAPPEN コステロの感性を育んだパブ・ロック~パンク・ムーヴメント

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2009年06月24日 18:00

更新: 2009年06月24日 18:29

ソース: 『bounce』 311号(2009/6/25)

文/吾郎 メモ

 初期コステロのイメージというと、一般的にはパンク・ロッカーというよりもパブ・ロッカーという感じだとは思う。しかしながら、そこにハッキリとした区分けはない。なぜならパブ・ロックとパンク・ロックは地続きだからだ。信憑性に欠ける噂として、コステロがピストルズの前身バンド=スワンカーズのメンバーであったというものがあるが、真偽はさておき、そうであってもおかしくない、つまりピストルズとコステロの立ち位置はそう遠いものではなかったということを記しておこう。ファッションも大事だが、音楽も含めてどれだけ個性が際立っているかということが当時のシーンにおいて重要で、それが支持を集めるかどうかの指標になっていたのではないか、と私は考えている。

 あたりまえの話だけれど、パブ・ロック以前にパブ・ロックはなく、パンク以前にパンクはない。では彼らはどのような影響をベースに音楽を作っていったのか? よく言われるのがMC5やストゥージズ、50年代のロックンロールなどだが、他にもリズム&ブルース、ブルース、レゲエなどさまざまな要素を呑み込んでいる。イアン・デューリーやジャムなどは、黒人音楽からの影響を隠さず大胆に採り入れ、ポリスやクラッシュからはレゲエの独自解釈が感じられるし、またジョン・ライドンはパブリック・イメージ・リミテッドにおいてジャーマン・ロックやダブへの接近が見られた。そうやって彼らは自分たちなりの個性を創出していった、ということだろう。

 その意味ではパブ・ロックやパンク・ロックは本来、いまで言うところのミクスチャー・ロックの最たるものであり、コステロも引き出しの多さゆえに、初期においてはこれらのシーンに集約されていたのだ。

▼関連盤を紹介。


パブリック・イメージ・リミテッドの79年作『Matal Box』(Virgin)

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