いまなら追いつける? A・トラックのお仕事あれこれ
A・トラックの音盤キャリアはDMC制覇と同じ年にスタートしている。当初は兄のデイヴ・ワンが率いるラップ・ユニット=オブスキュア・ディスオーダーでDJを担当し、D・スタイルズやQ・バートら憧れのターンテーブリストたちとも共演。98年にはピーナッツ・バター・ウルフのDJ集結曲“Tale Of Five Cities”に登場し、彼のストーンズ・スロウから初ソロ曲“Enter Ralph Wiggum”を発表している(後にコンピ収録)。続いては凄腕集団のアライズに参加し、唯一のアルバムでは“All Hail To My Hands”のプロデュースも担当。以降はバトル・ブレイクスを発表したりしつつ、カニエ・ウェストとの出会いをきっかけにコモンの“Go”やカニエの“Gold Digger”でスクラッチを聴かせるまでに。2006年にはライヴ・ミックスの『Oh No You Didn't!(Live In Vancouver)』を発表する一方、ディプロのブート・ミックスでリル・ウェインをいじったり、ボンジ・ド・ホレをリミックスしたり、ディプロとの親交を深めていった。以降はTTCを迎えた“Quitte La Piste”などのソロ曲を放ちながらキッド・シスターを世に出し、カニエやデジタリズム、ジェイムズ・パンツ、ボーイズ・ノイズらの楽曲をリミックス。ハーヴとの“Roll With Winners”やレイドバック・ルークとの“Shake It Down”などコラボにも積極的だ。この後はもっと凄いかもよ?
2002年のコンピ『Peanut Butter Wolf's Jukebox 45's』(Stones Throw)