最近のロックってどうよ……をトーキン・ロック!(2)
洋楽を聴かないバンド
出嶌「実際皆さんは昔からいろんなアーティストにインタヴューなどされてますけど、そういう、バンドが洋楽を聴いてる聴いてないとかいう部分も含めて、変化のようなものを感じはじめたのはいつ頃ですか?」
久保田「やっぱりBOOWYとかレベッカが登場したあたりからロックがお茶の間に浸透していったと思うんですよ。〈何聴いてるの?〉って訊かれて〈ロック!〉って答える時に何の衒いもなく日本のバンドが挙がるようになったのはそれ以降じゃないかな。90年代以降は音のダイナミクスも向上したし、スタイルも多様化したし、日本のロックを喰らっただけでもそれを糧にそこそこサマになるロック・バンドは作れるんじゃないかな」
岡村「日本のロックが歌謡曲化する動きっていうのはBOOWYの功罪だと思うんですよね。良くも悪くも彼らが変えてしまった。その後GLAYとかラルクが出てきて、スタジアム化していって手が付けられなくなって――私はこのあたりのバンドにはロック的なものはまったく感じないですね」
冨田「でも、ヴィジュアル系って元はヤンキー文化だったじゃないですか。その一方でミッシェル・ガン・エレファントみたいな硬派なバンドがいるっていう2つの筋があって、その双方の影響を融合させて生まれたのが9mmや凛として時雨なんかだと思うんですよ。それはある意味すごくおもしろいロック文化だなと思います。そういった日本のロックの匂いも強烈に漂わせながら、海外のポスト・ハードコアの匂いなんかもあって、洋楽と邦楽の垣根がないミュータント感を相当感じます」
久保田「どっちのバンドもX JAPANの匂いがするんだよね。そのへんの文脈ってヴィジュアル系のバンド以外は恥ずかしくて出さなかったと思うんだけど、いまはアリなんだよね。それは新鮮」
出嶌「でも何で〈名盤〉として挙げてこないんでしょう。年月が浅いっていうだけかもしれないけど」
冨田「本当に支持しているのは中高生だったりするからですかね」
出嶌「中高生のアンケートも取るべきでした……それとは逆に、最近増えている再結成バンドについてはどう思われますか?」
岡村「奥田民生の才能はすごいと思うけど、ユニコーンがなんであんなに珍重がられるのか……」
久保田「それに輪をかけてるのがリアルを知らない人たちでしょ。リアルタイムか、若い世代かは別として」
出嶌「ユニコーンとかJUN SKY WALKER(S)とかリアルタイムでは別にイヤじゃなかったですけど、そういうのをホラ、懐かしいでしょ、とか思われるのがすごいイヤだなって」
久保田「そんなにみんな聴きたかったのか!?っていうね。それよりもBUCK-TICKとかメンバーも変わらずにずっとやってる人たちのほうを聴いてほしいけどね」
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