こんにちは、ゲスト

ショッピングカート
  • Check

特集

日本のロック・スタンダード・アルバム54(2)

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2009年06月03日 17:00

更新: 2009年06月03日 17:40

文/岡村詩野、加藤直子、北爪啓之、鈴木智彦、ダイサク・ジョビン、土田真弓、出嶌孝次、冨田明宏、宮本英夫

54>サディスティック・ミカ・バンド

黒船 EMI Music Japan(1974)

加藤和彦、高橋幸宏、高中正義などが在籍した個性派集団による2作目。ハード・ロック、プログレ、ファンク、フュージョンをグラマラスに折衷したサウンドで、70年代の日本の音楽シーンに開国を迫ったコンセプチュアルな本作は、さり気なくブッ飛んだセンスが身悶えするほどにクール。名曲“タイムマシンにおねがい”も収録。*土田

53>INU

メシ喰うな! 徳間ジャパン(1981)

町田町蔵の蒼い絶唱と独創性に溢れた言語感覚――その言葉の力を喰らったことがあるなら、現在彼が芥川賞作家として大成しているのも納得できるはず。引きつったビートで駆け抜けるパンク・サウンドは、初作(にして唯一のアルバム)の時点ですでにパンクの枠組みからはみ出していた。19歳の町田の怒気がジャケを貫通して伝わってくるかのよう。*冨田

52>ユニコーン

服部 ソニー(1989)

再結成も話題のバンドだが、BOOWY的なスタイルから先へ進んだ集団としてのスキルをお約束ナシの遊びとして最高に輝かせたのは本作だろう。腰の強い“服部”から腰の低い“人生は上々だ”まで、改めて聴くと『The Beatles』にも似た散らかり具合に驚かされる。出オチのようなヒット曲以上に、“デーゲーム”“逆光”など胸に残る曲が多い。*出嶌

51>銀杏BOYZ

君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命 初恋妄℃学園(2005)

『DOOR』と2枚同時リリースされた初作の片割れ。エグい欲望もセンティメンタルな妄想も、血も汗も涙も鼻水も垂らしながら峯田和伸が表現する〈究極の美〉――モラトリアムな精神性にまみれた爆音ハードコア/パンク・ナンバーがモテない男子のアンセムとして光り輝く。その〈衝撃的な格好悪さ〉が実は何よりも格好良く、ピュアでロマンティック。*加藤

50>THE ROOSTERS

THE ROOSTERS コロムビア(1980)

ブリティッシュ・ビート~パブ・ロック直系の黒光りするロックンロールを、より性急で猥雑なチンピラ・マナーで意訳した初作。当時隆盛した〈めんたいロック〉を代表する名盤でもあるが、ミッシェル・ガン・エレファントらに与えた影響も含め、そのド直球なヤケクソぶりは軽々と時代を超越して聴き手をブン殴るのだ。*北爪

49>LUNA SEA

MOTHER ユニバーサル(1994)

いま日本を代表する若手とされる9mm Parabellum Bulletも凛として時雨も、彼らがいなければ……というのは大袈裟かしら!? 天使と悪魔を対比させたようなツイン・ギターも麗しく、インダストリアルの独自解釈なども含めながら神聖でファンタスティックな世界観を極めた本作。これでヴィジュアル系の枠を超える国民的バンドになった。*加藤

48>相対性理論

ハイファイ新書 みらい(2009)

どうです、個性的でしょう?と言わんばかりの有象無象と異なるユニークがあるのは確か。狙ったディフォルメ感とは違う部分で素晴らしく可愛らしいし、やってる音は至極ストレートで、作品そのもので勝負するという気骨も感じる。勝手に小さくなったロックの股ぐらを変な形に広げてくれそうな、この続きがまだ聴きたくなるおもしろいアルバムです。*出嶌

47>ブランキー・ジェット・シティ

C.B. Jim EMI Music Japan(1993)

ロカビリーにタイトなパンク・ロックのビートをプラスし、攻撃的でアイロニーに満ちた独自の音楽性を確立させたサード・アルバム。寓話性と暴力衝動に彩られたベンジーの歌詞が感動的なまでに美しく、その世界観をストイックな激音が真正面から受け止めている。これこそが不良による不良のためのロックンロール。 *冨田

46>暗黒大陸じゃがたら

南蛮渡来 アリオラ/BMG JAPAN(1982)

こんなことを書くとコアなファンから袋叩きにされそうで怖い!? でもやっぱり、ポップ・グループやギャング・オブ・フォーといった英国のポスト・パンク~非黒人ファンクあたりからの音楽的影響がモロに感じられるファースト・アルバム。江戸アケミの歌声も冷めていてシニカル! アフロ・ファンク的な要素はこの時点では案外希薄だ。*鈴木

45>PYG

PYG! ユニバーサル(1971)

GSの残照に咲いた徒花による唯一のアルバム。ブラインド・フェイスあたりに着想を得た〈スーパー・バンド〉的な佇まいと、沢田研二&萩原健一の双頭ヴォーカルもガラが悪くて良い。ハード・ロック志向の“自由に歩いて愛して”や岸辺修三(一徳)のセンスの良さが光る“花・太陽・雨”など、歌謡性とも括り難い一種独特の和風美が立ちこめた名品だ。*出嶌

インタビュー