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Complete Guide 71-(5)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年05月14日 11:00

更新: 2009年05月14日 17:40

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/池谷 昌之、出嶌 孝次、林 剛

『Midnight Love』 Columbia(1982)
完全に退路を断たれ、失敗したらもう歌わないという覚悟で生み出した見事なカムバック作。TR-808もゴードン・バンクスのギターもリズミックに響いて都会のアフェアを表現する一方、かつての兄貴分ハーヴェイ・フークアの参加もあってドゥワップ・マナーのコーラスも聴けたり、先進性と懐かしさが入り混じったような風情が何度聴いても不思議に心地良い。参加メンバーに感謝を述べ、活き活きと神に捧げた終曲“My Love Is Waiting”の力強さも切ない余韻を残す名作。
(出嶌)

RICK JAMES 『Street Songs』 Motown(1981)
マーヴィンと入れ替わるようにモータウンの顔となったリック。そんな様子に嫉妬したマーヴィンは、本作の疾走ファンクを模したような“Clique Games/Rick James”(“Midnight Lady”の原型)という曲を作っていた。
(林)

BOB MARLEY & THE WAILERS 『Uprising』 Tuff Gong/Island(1980)
遺作にひっそり忍ばせた“Third World Girl”は、すでに故人であったボブに捧げた曲なのだろう。彼に前座を任せたこともあるマーヴィンが、ボブから受けた影響と共感を表したプリミティヴなレゲエ曲だ。
(池谷)

THE ISLEY BROTHERS 『Between The Sheets』 T-Neck/Epic(1983)
TR-808を使用したセクシャル・フィーリングたっぷりのソウルといえば、もうひとつの金字塔となるのが本作の表題曲だろう。69年までモータウンに所属した彼らは、マーヴィン曲をカヴァーしたこともあった。
(池谷)

LUTHER VANDROSS 『Forever, For Always, For Love』 Epic(1982)
同年にマーヴィン&タミーの“If This World Were Mine”をシェリル・リンと歌ったルーサー。サム・クック憧憬曲で始まる本盤は、マーヴィンの作品と共に80年代男性R&Bシンガーのあり方を提示した重要作である。
(林)

『Dream Of A Lifetime』 Columbia(1985)
他界後にリリースされた追悼企画アルバム。未発表音源の寄せ集めゆえに内容は混沌としているが、『Midnight Love』制作前後に録られたヴォコーダー&TR-808使いのファンク“Sanctified Lady”など、曲単位で聴けば総じて質は高い。『Here, My Dear』のセッションからの“Ain't It Funny(How Things Turn Around)”、『Let's Get It On』制作時の音源に手を加えた“Symphony”、さらにはポピュラー調の美しい表題曲など、ファンなら満足できる一枚だろう。
(林)

『Romantically Yours』 Columbia(1985)
死後2枚目のリリースは、ジャケからもわかるようにバラード主体のアルバム。モータウン在籍時に録音されていたスタンダード・ナンバーのカヴァーを収録したA面の6曲と、70年代後半以降のレコーディングと思しきオリジナル曲が連なったB面の未発表音源5曲……ということで、当然ながら〈寄せ集め〉感は否めない内容だろう。ただ、B面に収められたドラマティックな哀愁ナンバー“Walkin' In The Rain”などお蔵入りが解せない良曲もあって、聴く価値は十分だ。
(池谷)

『Motown Remembers Marvin Gaye』 Motown/ユニバーサル(1986)
コロムビアに対抗するかのように、モータウンが未発表音源などを集めて出した追悼企画盤。60年代~70年代初期の音源にオーヴァーダブを加えたハル・デイヴィス制作のアルバムで、幻のアルバム『You're The Man』に入るかもしれなかった社会派ソング“The World Is Rated X”などが初公開され、リリース当時は話題を呼んだものだ。H=D=Hやスモーキー・ロビンソンらが書いた60年代の録音も曲は悪くなく、キム・ウェストンとの未発表デュエットも聴ける。
(林)

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