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Complete Guide 71-(3)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年05月14日 11:00

更新: 2009年05月14日 17:40

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/池谷 昌之、出嶌 孝次、林 剛

『I Want You』 Motown/ユニバーサル(1976)
リオン・ウェアを中心に、T・ボーイ・ロス、ハル・デイヴィスの助力を仰いで作り上げた性愛アルバム。ジェイムズ・ギャドソンらによるダンサブルでスムースなバッキング、コールリッジ・テイラー・パーキンソンの美しい管弦アレンジ、それらがマーヴィンの多重コーラスと一体となって、濃密でエロティックな空間を作り出している。表題曲で妖しげに幕を開け、“After The Dance”で幕を引くまで、切なさと昂揚が同時に押し寄せる名盤だ。
(林)

LEON WARE 『Musical Massage』 Motown(1976)
T・ボーイ・ロス及び自身のアルバム用に作っていた素材をマーヴィンに譲ったリオン。これはその代償にモータウンから発表機会を得た、もうひとつの『I Want You』だ。リイシュー盤では“I Wanna Be Where You Are”の作者版も聴ける。
(林)

MADONNA 『Something To Remember』 Maverick(1994)
モータウン育ちの彼女はマッシヴ・アタックの音壁に情念を埋め込んで“I Want You”をカヴァー。そういえば彼女は『What's Going On』や『Let's Get It On』に見立てられる作品も出したことがある。次は〈離婚伝説〉かな(失礼)。
(出嶌)

J. DILLA 『Dillanthology』 Strut/!K7 
マーヴィンの声が幾重にも降り積もる『I Want You』の、メロディーよりもムードそのものを伝えてくる空気感は、J・ディラが醸造し続けたヴァイブに通じる。アンプ・フィドラーやカリーム・リギンスのような同輩も含めて、その影響力は甚大なのだ。
(出嶌)

JAZZANOVA 『Of All The Things』 Verve(2008)
60's~70'sモータウンへの憧憬を露わにしたこの最新作では、リオン・ウェアとドゥウェレが“Rockin' You Eternally”をデュエット。『I Want You』的な音世界を再現しているドウェレをリオンと結び付けたジャザノヴァのセンスに感服。
(林)

『Live At The London Palladium』 Motown/ユニバーサル(1977)
76年10月のロンドン公演を収めたライヴ盤(LPは2枚組)。『I Want You』の成功を受けてか、メロウでスマートな演奏をバックに歌うマーヴィンは声にも自信が漲り、聴衆をグイと引き寄せる。60年代のソロ・ヒット~『What's Going On』所収の名曲~女性とのデュエット曲と続く3部構成のメドレーも圧巻。LPのD面に収められたディスコ調のパーティー・ソング“Got To Give It Up”はジャンや弟フランキーも参加した唯一のスタジオ録音曲で、これも本盤の価値を高めた。
(林)

AALIYAH 『One In A Million』 Blackground/Atlantic(1996)
R・ケリーにとってのジャニスだったアリーヤは、本作で“Got To Give It Up”を可愛らしくカヴァー。2001年に急逝した彼女の代役として「マトリックス リローデッド」に出演したのがノーナ・ゲイだったという奇縁もある……。
(出嶌)

THE ROLLING STONES 『Emotional Rescue』 Rolling Stones/Virgin(1980)
かの“Miss You”もソレっぽいけど、ミックがファルセットで歌う今作の表題曲は、ほとんど“Got To Give It Up”のパクリ? 後にミックとボウイが披露した“Dancing In The Street”もマーヴィン作でしたね。
(出嶌)

『Vulnerable』 Motown/ユニバーサル(1997)
70年代終盤に『The Ballads』という表題でのリリースに向けて進められていたセッション音源が、タイトルを変え、20年の時を経て陽の目を見たのがこちら。60年代に頓挫したポピュラー路線に復帰を図っていたのか、スタンダード・ナンバー中心の内容になっており、本人がいちばん気に入っていたアルバムだとする説もある。〈いそしぎ〉などの数曲は『Romantically Yours』とレパートリーが重複するものの、歌唱スタイルは変化しているため両者を聴き比べるのもおもしろい。
(池谷)

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