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Complete Guide 71-(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年05月14日 11:00

更新: 2009年05月14日 17:40

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/池谷 昌之、出嶌 孝次、林 剛

『Let's Get It On』 Motown/ユニバーサル(1973)
有名な求愛ソングの表題曲で始まる、性愛をテーマにしたアルバム。西海岸の腕利きたちを従えてエド・タウンゼントと制作した前半、ファンク・ブラザーズ一派と録っていた60'sノーザン調の“Come Get To This”で始まる後半、共にゆったりとしたノリではあるが、激しく感情移入してみせるマーヴィンの歌が熱い。“Distant Lover”や“You Sure Love To Ball”といったセクシーなバラードも含み、セックス・シンボルとしての名をほしいままにした傑作だ。
(林)

WAH WAH WATSON 『Elementary』 Columbia(1976)
〈ワー・ワー〉の愛称で知られる敏腕ギタリストのリーダー作には、クルセイダーズの面々やデヴィッドT・ウォーカーらLAの腕利きが参加。マーヴィン作品でのセッションも思い出されるファンキーなフュージョン盤だ。
(林)

WILLIE HUTCH 『Soul Portrait』 RCA(1969)
サム・クックからの影響も色濃いシンガー・ソングライターのデビュー作。60'sノーザン・ソウルをアップデートしたような作りが『Let's Get It On』的……と思ったら、いっしょに曲を録っていたことがデラックス版で判明。
(林)

R. KELLY 『Happy People/U Saved Me』 Jive(2004)
聖俗の合体作というのがマーヴィンっぽいが、これを元妻のジャニスが気に入ってR本人に連絡してきたという話もある。マーヴィンの性愛路線を継承するRが、マーヴィンの性愛対象だったジャンとリンクするのは必然だった?
(林)


PRINCE 『The Gold Experience』 NPG/Warner Bros.(1995)
歌手デビューしたノーナ・ゲイと“Love Sign”を歌ったプリンスは今作にも彼女を招待。何より、聖俗を行き交うのではなく両者を強く結び付けるという彼の考え方はマーヴィンの辿り着いた結論にも通じるものだろう。
(出嶌)

DIANA ROSS & MARVIN GAYE 『Diana & Marvin』 Motown/ユニバーサル(1973)
妊娠中のダイアナが草好きなマーヴィンとの同室を嫌がり、実際の仲は互いに背を向けたジャケさながらだったそうだが……モータウンが誇るトップ・スター同士の共演が生む華やぎは流石に強力だ。ベリー・ゴーディJrが選曲した“You Are Everything”や“Stop, Look, Listen(To Your Heart)”などのフィリー・ソウル・ヒットや、アシュフォード&シンプソンが書き下ろしたラヴソング“Just Say, Just Say”などのゴージャスさはこのカップルに相応しいものだろう。
(池谷)


DIANA ROSS 『Touch Me In The Morning』 Motown(1973)
この時期のダイアナの代表作。A&M的なポップネスとニュー・ソウル期のマーヴィン作品に通ずるメロウ・マナーを兼ね備えた聴き味は流麗そのもので、どことなく品の良さが漂うのも彼女らしい。“Save The Children”のカヴァーも。
(池谷)

ドリフターズ 『ドリフだョ!全員集合(青盤)』 EMI Music Japan 
ウィルソン・ピケットの“Don't Knock My Love”を弾き直して一世を風靡した“ドリフの早口ことば”だけど、アレンジはモロにダイアナ&マーヴィン版のもの。なお、“ヒゲのテーマ”でテディペン曲を用いているのは奇縁(か?)。
(出嶌)

『Marvin Gaye Live!』 Motown/ユニバーサル(1974)
『Live On Stage』以来11年ぶりにリリースされた、70年代初のライヴ盤。エド・グリーンやデヴィッドT・ウォーカーらから成るリズム隊を従え、マーヴィンは当時のヒットや60年代の名曲メドレーをナイーヴさも覗かせながら熱く歌い込んでいく。会場となったオークランド・コロシアムには女性ファンの割れんばかりの歓声が響き渡るが、新しい恋人のジャンに捧げた新曲“Jan”ではファンを敵に回すことに。が、そんなシーンも本作を名盤たらしめている要素なのだ。
(林)

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