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特集

'M' plays it cool 死の直前に開いた808年代の扉

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年05月14日 11:00

更新: 2009年05月14日 17:40

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/林 剛

 80年代のブラック・コンテンポラリー(ブラコン)を象徴するサウンドといえば、カニエ・ウェストも近作でオマージュを捧げたローランドのリズム・マシーン=TR-808のチープでパーカッシヴな音だろう。それに革新性を見出したのがマーヴィン・ゲイで、82年の“Sexual Healing”が打ち込みブームを加速させたという話は、いまや定説になっている。実際、翌83年にはエムトゥーメイ“Juicy Fruit”、ルース・エンズ“Hangin' On A String”、ミッドナイト・スター“Feels So Good”といったミディアム・グルーヴのフォロワー・ソングが登場。また、84年のマーヴィン他界後には、ユージン・ワイルド“Gotta Get You Home Tonight”、フレディ・ジャクソン“Rock Me Tonight”、グレゴリー・アボット“Shake You Down”などマーヴィンへの憧憬を露わにした“Sexual Healing”直系のスロウ・ジャムが続出し、そうしたムードはロジャー“I Want To Be Your Man”やサーフィス“Happy”にも受け継がれていった。そのTR-808使いの名手だったのがSOSバンドなどを手掛けたジャム&ルイスであり、近年では彼らの音を模したコンフェクションのようなユニットも出現。808サウンドがいまも魅力的に聴こえるのは、マーヴィンというカリスマがそれを手にしたからという理由も大きいはずだ。


ユージン・ワイルドのベスト盤『Greatest Hits』(Empire)

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