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Complete Guide 61-70(2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年05月07日 11:00

更新: 2009年05月07日 17:31

ソース: 『bounce』 308号(2009/3/25)

文/池谷 昌之、出嶌 孝次、林 剛

『Hello Broadway』(1964) 表題が示すようにブロードウェイ・ミュージカルの名曲などを取り上げたアルバムだ。ジャケットに写る蝶ネクタイ姿の如く、マーヴィンの上品で優しい歌声は、まさにフランク・シナトラやナット・キング・コールのセンを狙ったそれ。映画「酒とバラの日々」の主題歌などをスマートに歌うマーヴィンはR&Bを歌う彼とは別人だが、これが本性なのだ。
(林)

『How Sweet It Is To Be Loved By You』(1965)
モータウンをモータウンたらしめたH=D=Hが中心となって仕上げた傑作。マーヴィンの滑らかなテナーが冴え渡るシャッフル調の表題曲が有名だが、他にもH=D=Hならではの勢い溢れるノーザン・ビート曲“Baby Don't You Do It”、ベリー・ゴーディが手掛けた少しブルージーな“Try It Baby”など、レーベル黄金期らしい輝きに満ちた曲が詰まっている。
(林)


H=D=Hがプロデュースしたシュープリームスの65年作『More Hits By The Supremes』(Motown)

『A Tribute To The Great Nat "King" Cole』(1965)
同年に死去したナット・キング・コールを偲んで制作されたカヴァー集。アレンジは原曲に基づいたものでモータウンらしさはないが、敬愛する偉大なシンガーの曲を丁寧になぞるマーヴィンの歌唱にはいつもの荒さやムラッ気はなく、誠実そのもの。ただしポピュラー路線はこれが最後となり、本作以降はソウル路線に徹することになる。
(池谷)

『Moods Of Marvin Gaye』(1966)
粗削りな声と滑らかなテナーが絶妙に絡む、マーヴィン独自の唱法が完成を見せはじめた頃の名作。スモーキー・ロビンソンが制作してミラクルズのメンバーもペンを交えた“I'll Be Doggone”“Ain't That Peculiar”といったノーザン・ソウル・ダンサーが強力だが、一方ではオーケストラをバックに歌うバラードも用意し、マーヴィンらしい二面性を見せている。
(林)

MARVIN GAYE & KIM WESTON 『Take Two』(1966)
2作目となるデュエット盤で、今回の相手はキム・ウェストン。後にその旦那となるミッキー・スティーヴンソンがマーヴィン人気を利用して、モータウンで燻っていた彼女を売り出そうと企画したらしい。とはいえ、疾走感溢れるダンス曲“It Takes Two”からポピュラー系バラードまで、ゴスペル上がりの両者は相性も良く、ソウルフルな掛け合いを聴かせる。
(林)

『Marvin Gaye At The Copa』(2005) マーヴィンが憧れたサム・クックもかつて出演したNYの高級ナイトクラブ〈コパカバーナ〉における、66年8月のライヴ実況盤。ジャズ・オーケストラをバックにスタンダード曲や自身のヒットを歌うショウだが、ベリー・ゴーディはマーヴィンのポピュラー志向を食い止めるべく、67年のリリース予定をお蔵入りにしたという。が、ライヴそのものの質は高く、2005年に公式リリースされた。
(林)

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