オレスカバンドの〈いま〉を大放出! 〈PUNKSPRING 09〉を詳細レポート!!(2)
そんな絶好のタイミングで飛び出したのは、最新ミニ・アルバムの表題曲“What a Wonderful World”。開放感に満ちたホーン・セクションと伸びやかなメロディーで聴き手に果てしない昂揚感をもたらすナンバーだが、間奏に挿入されるヴォーカルの掛け合いでは、煽るまでもなく(しかも初めてこの曲を聴いたオーディエンスが多数であっただろうに)コール&レスポンスが自然発生! 一聴しただけで歌えるほど、聴き手に対して開かれた作りになっている楽曲からは、「お客さんと一緒に現場を作り上げるんだ」という彼女たちの強い意志が感じられる。
終盤は“Going Away”“ピノキオ”“少年S”と徐々にBPMを上げる展開で、クライマックスに向けてステージとフロアとの交歓度もグイグイと加速していく。片手でトランペットを操りながら、もう片方の手で会場全体をぐるりと指差し、観客と意思の疎通を図ろうとするサキ。姿が見えないと思ったら、アンプによじ登ってフロアを煽りまくるリーダー。ステージ前方で、目の前の観客にさり気なくアピールするもりこ。位置は固定ながら、いかす、とみ、たえさんも髪を振り乱しながらアグレッシヴなプレイを披露し、ラストの“Super☆Duper”に辿り着く頃には、フロアも完全に沸点超え。熱狂的なダンス空間をその場にいる全員で完成させたところで、終演を迎えた。
彼女たちが踏破した〈ワープド・ツアー〉がどれほど過酷なものだったかは、ドキュメンタリーDVD「46 ORESKABAND -WARPED TOUR 2008-」を観ればあきらかだ。オレスカバンドの音楽は、どうあるべきなのか――? 自らに投げかけたその問いに対して、言葉が通じない土地でひたすら演奏し続けた6人が導き出した答えは、この日のライヴ中にリーダーが放った次の言葉に集約されているように思う。
「何より大事なのは、いま、みなさんとこの場を楽しむことでしょう!!」。
そして、その決意に揺るぎない説得力を与える作品が、このたびリリースされる最新ミニ・アルバム『What a Wonderful World vol.2』だ。〈vol.1〉〈ワープド〉と歩みを進めてきた彼女たちの、ひとつの旅の終着点。結果を出すことができなければステージ・ランクが容赦なく下げられるというサヴァイヴァル・サーキットで得た経験を糧にし、大きく成長を遂げた彼女たちの〈いま〉が、ようやくあきらかになろうとしている。
ORESKABAND 〈PUNKSPRING 09〉@ GREEN STAGE
1. PANTIME
2. 花のスカダンス
3. 24カラット
4. PAPAYA
5. What a Wonderful World
6. Going Away
7. ピノキオ
8. 少年S
9. Super☆Duper
→→→以下、4月16日更新のオレスカバンド・スペシャル・インタヴュー〈BLACK SIDE〉へ続きます!!