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特集

N.A.S.A.(3)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2009年04月02日 12:00

更新: 2009年04月02日 13:26

ソース: 『bounce』 307号(2009/2/25)

文/高橋 芳朗

運命的な着陸

 だが、いまの気分がわかりやすく反映されているものとしては、カニエ・ウェストとサントゴールドのヴァースをリッケ・リーが結ぶヘヴィーなエレクトロ・チューン“Gifted”、そしてM.I.A.とスパンク・ロック、ニック・ジナー(ヤー・ヤー・ヤーズ)をフィーチャーした“Whatchadoin?”あたりを提出しておいたほうがいいのだろう。特に、バイリ・ファンキとボルティモア・クラブとマイアミ・ベースのハイブリッドにポスト・パンク調の煽動的で神経質なギター・サウンドを乗せた後者には、いやがうえにも盛り上がってしまう。

「“Whatchadoin?”は、最初はストレートなバイリ・ファンキって感じのトラックだったんだ。でもどうもしっくりこなくて、ドラム以外のすべての楽器を録り直すことにした。さらにギターを入れようってことになって親友のニックに連絡したんだけど、彼はスタジオにやってくると1時間程度でキメてくれたよ。この曲ではもともとスパンク・ロックだけをフィーチャーするはずだったんだけど、彼がM.I.A.とサントゴールドをスタジオに連れてきてくれてさ。気がついたらM.I.A.がマイクの前に立ってたんだよ」。

 それにしても――この『The Spirit Of Apollo』を繰り返し聴いていると、アルバムの制作に約6年の時間がかかって、その結果こうして2009年の初頭にリリースされたということに、なにか運命的なものを感じてしまうというか、あらかじめランデヴー・ポイントが決められていたような気すらしてしまう。もしかしたら乱暴な物言いに聞こえるかもしれないが、いまこのタイミングに〈着陸〉したことで、N.A.S.A.のミッションはほぼ達成されたといってもいいんじゃないだろうか?

「いまは新しい音楽がたくさん生まれてきてる。そういった音楽は常に説明しづらいものだけれど、これだけは確か。そいつが何かダンス・ミュージックの一種であることは間違いないね」。

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