耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
8 ALL SAINTS
『Studio 1』 Parlophone(2006)
リアムの愛する妻=ナタリー・アップルトンと、その妹のニコールが在籍。2002年には義理の妹を介してオアシスのリアムと“Shot Down”でコラボってみたり、姉妹+リアム義兄弟の4人でN.L.L.N.なるユニットを(趣味で)結成してみたり、拳ブンブンな音を作っている人とは思えないほど、家庭は円満なよう。
(山西)
9 BOOM BOOM SATELLITES
『OUTLOUD』 ソニー(1998)
プロディジーの来日公演でゲストを務めたこともあったし、ファン層はかなりかぶっているのでは? ダビーでヘヴィーなロック・スタイルで、パフォーマンスはいたってクールながら、ブレイクでのフロアの沸点の高さやクラウドの暴れ具合はいっしょ。海外メディアもケミカルやプロディジーと並べて評していましたな。
(池田)
10 SEX PISTOLS
『Never Mind The Bollocks』 Virgin(1977)
ユニオンジャックを背負った露悪的なオッサン……「再結成ピストルズのジョン・ライドンは、肉付きも髪型もキースに似てないか?」「あ~、ロバート・スミスと3人で並んでほしいですよね」なんて会話がどこかの酒場で交わされる日は来るのか(→P96)。リアムのミックスには“New York”やPILの“Rise”が入ってるよ!
(出嶌)
11 ULTRAMAGNETIC MC'S
『Critical Beatdown』 Next Plateau(1988)
どう考えてもリアムがいちばん愛したヒップホップ・アルバムはこれだろう。“Out Of Space”で表題曲をサンプルし、“Smack My Bitch Up”の声ネタはそのまま“Give The Drummer Some”から。その声の主であるクール・キースは2作連続でプロディジーのアルバムに招聘され、ブッ飛んだMCでリアムを喜ばせている。
(出嶌)
12 6IX TOYS
『6ix Toys』 First Word(2008)
リヴァプールを拠点に活動するDJ入りのジャズ・ファンク・バンドだそうで、本作にも収録のデビュー・シングルはホーンがバリバリ鳴り響く“Voodoo People”のファンキーな疾走カヴァー! 内容がどうこうじゃない一発芸のような出来ながら、数あるプロディジー・カヴァーでも異彩を放つ痛快な一例として。
(出嶌)
13 MAX ROMEO
『War Ina Babylon』 Island(1976)
レゲエ・バンドのエンジニアとしてキャリアを開始したマキシムのラガなMCは、プロディジーに欠かせない要素のひとつ。本作収録のリー・ペリー製“I Chase The Devil”をモロ使いした“Out Of Space”も、フライトフランク“Twisted”の同じくリーによるリミックス版も、マキシムがいたからこそ生まれたはず。
(山西)
14 PLAN B
『Who Needs Actions When You Got Words』 679/Warner UK(2006)
地下に潜ったレイヴがアンダーグラウンドなパーティーを発展させていったのだとしたら、UKガラージやグライムなどはその直系の申し子だとも言える。オクサイド&ニュートリノも獰猛にリメイクした“No Good”を、このアコギを抱えたMCが熱唱する様子からは暴れん坊精神の静かなる伝承ぶりも見えてきそうだ。
(出嶌)
15 TRF
『GRAVITY』 avex trax(2009)
ユニット名の由来は言わずもがな。dj hondaらとTHE JG'Sを組んでいたDJ KOOを中心に編成された彼らだが、匿名性の強かった初期の作品『HYPER TECHNO MIX』などは小室哲哉がレイヴを翻訳したデス・テクノ路線だった。リリースされたばかりの本作にもアッパーな彼らなりの〈レイヴ〉感が満載されている。
(出嶌)
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